バンクーバーでの夏最大の音楽イベント「バンクーバー祭」が8月5日から19日まで、市内各所で開催されている。

　The Vancouver Summer Festival Societyが主催する同フェスは、2週間にわたりクラシックやジャズ、ワールドミュージックなど、有料・無料合わせて55以上のステージを繰り広げる。ボブ・マクファーリンをはじめ世界的に有名なアーティストも多数参加している。

　ワールドミュージックでは、「Sounds of Asia Weekend」としてアジア音楽にスポットを当てている。8月5日、6日には、バンクーバー・イースト・カルチャー・センターで日本や中国、台湾、韓国などの伝統的な音楽コンサートを開催。

　日本からは「The Greater Vancouver Koto Ensemble」として小林照沙さんとチャン・エリカさんが出演し、約45分の演奏を2日間にわたって披露した。同ステージだけでも2日間で160人以上の観客が訪れた。着物をまといステージに立つ2人は凛とした雰囲気のなか、見事なアンサンブルで日本の伝統曲を演奏し、聴覚にも視覚にも日本を感じさせていた。

　小林さんは琴の先生であった母の影響を受け6歳から琴を学び始め、日本やアメリカ、カナダなどでコンサート活動や講演活動などを行っている。今回の出演にあたっては「カナダなど外国人も日本文化に興味を持つので、カナダに来ている日本の若い人にももっと日本文化に誇りを持ってもらい、伝統を守ってほしい」と話していた。

　バンクーバー在住で毎年同フェスを楽しみにしているという日本人女性（58歳）は「Sounds of Asia Weekend」の1日券を購入し、琴などの伝統楽器が奏でる音楽を楽しんだ。「カナダでは音楽イベントの数が多く、チケットも安いことから参加しやすい。今回はアジアのコンサートを選んだが、琴については詳しく分からないものの、聞いたことのある音楽ばかりで懐かしく感じた」と語った。

　バンクーバー祭は19日まで開催中だが、バンクーバー市内のいくつかの施設ではストライキ中のためコンサート会場が変更になっている。

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