バンクーバーで「変化する都市」をテーマにしたコラボ展覧会

須田悦弘さんの作品「マリファナの葉とポピーの花びら」。丁寧な手仕事で本物そっくりに作られている。

須田悦弘さんの作品「マリファナの葉とポピーの花びら」。丁寧な手仕事で本物そっくりに作られている。

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 バンクーバーで現在、世界で活躍する美術評論家・小倉正史さん、彫刻家・須田悦弘さん、カナダ人で建築をテーマにしたアーティスト・Paul de Guzmanさんによる「変化する都市」をテーマとした展覧会「Another City(アナザーシティ)」が開催されている。会場は、Center A Vancouver International Center for Contemporary Asian Art (センターA バンクーバー国際現代アジアアートセンター、2 West Hastings Street, Vancouver TEL 604-683-8326)。

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 de Guzmanさんが仮設の壁で迷路のような架空都市を制作した450平方メートルの会場各所に、須田さんの作品(マリファナの葉、キノコ、ポピーの花びら全8点、約5~15センチの木彫)が「寄生」をテーマに展示している。床には小倉さんがCentre Aの建物が古い電車の駅舎だったことを受け線路跡を描いた。来場者が作品群(Another City)のなかを歩き、意外な場所で須田さんの作品に遭遇する仕掛けだ。

 須田さんは展覧会を行う土地にちなんだ植物を制作する作家。「昨年、バンクーバーを訪れた際に街でマリファナの漂うにおいや絵を目にし、人々のマリファナへの関心の高さを知り、小さな葉から成長の過程を6点の作品で表現した」(須田さん)。またキノコやポピーもトリップ効果のある植物。会場を訪れた人々を「Another City」へと導くという意味を持つ。

 2007年に小倉さんが、Center Aのキュレーター原万希子さんに「アートと都市が相互に影響を与える関係」についてアプローチしたことがきっかけで、今回の展示が実現した。来場者が作品(アート)を鑑賞した後に新たな視点を発見し、現実でもさまざまな角度から都市を見直すきっかけを作る試み。原さんは「街も時代とともに移り変わっていく。新しい目線で自分だけのAnother Cityを見つけてみては」と話す。

 開催時間は11時~18時。日曜・月曜休館。4月25日まで。ウオーキングツアーは4月11日・25日の16時~17時。Centre A前から16時に出発する。ケベックのジョリエット美術館で9月から、巡回展が開催される。

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