バンクーバー、ダウンタウンのChrist Church Cathedral(690 Burrard St. Vancouver)で9月30日、今回で2回目となるバンクーバー国際障害者ピアノフェスティバルの開会式が行われた。主催はNPO法人日本障害者ピアノ指導者研究会。
「ピアノのパラリンピック」をコンセプトに、2005年に横浜で開催された1回目から4年の月日を経て2回目を迎えた同フェス。日本とカナダをはじめ、ドイツ、韓国、マレーシア、ポーランドなど10カ国以上の国から約80人の演奏者がバンクーバーに集まった。
演奏会は、課題曲のアレンジ・演奏を競うコンペティションと自由曲によるコンサートの二本立てで行われる。演奏者は11歳~60代と幅広く、自由曲で演奏される曲目もクラシックに限らず、中には自作の曲を披露する演奏者も。大阪府高槻市から参加した河野みゆきさんは「今回が初めての参加。海外に行くのも初めてで、このフェスのためにバンクーバーへ来た」と話す。
開会式では、世界各国からの演奏者代表をステージで紹介。次々とステージに上る演奏者たちに、集まった関係者や一般の観客から盛大な拍手が送られた。そのほかタイやポーランド、BC州の先住民族による民族舞踏、ハンドベルやピアノ演奏も行われ、「パラリンピック」の開会を盛り上げた。
広報担当の平野さんは「目の見えない方、難聴の方、手足が不自由な方、知能の発達障害の方など、障害の種類はさまざまだが、音楽を愛する思いは一つ」と話す。
同フェスは今後も4年周期での開催を予定。「このフェスを通じて『個性をたたえ合う』ということを伝えたい。いずれはピアノ以外の楽器や音楽だけにとどまらず、アートの世界におけるバリアフリーと向き合ってもらえるきっかけになれば」と期待を寄せる。
フェスは今月3日まで、同所のほかTom Lee Music Hall(929 Granville St. Vancouver=2日まで)、UBCのChan Centre for the Performing Arts(6265 Crescent Rd. Vancouver=3日のみ)で開催される。スケジュールはサイトで確認できる。入場無料。