クランベリーの巨大水上アート、完成間近-五輪会場前が赤一色に

クランベリーで作る「巨大水上アート」の枠組みがほぼ完成し、あとは実際に設置する「Richmond Olympic Oval」前の水辺までフレーザー川に浮かべて移動後、クランベリーの実を流し込むだけとなった。

クランベリーで作る「巨大水上アート」の枠組みがほぼ完成し、あとは実際に設置する「Richmond Olympic Oval」前の水辺までフレーザー川に浮かべて移動後、クランベリーの実を流し込むだけとなった。

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 バンクーバー冬季オリンピックのスピードスケート会場「Richmond Olympic Oval」(6111 River Road, Richmond)前を彩る「クランベリー巨大水上アート」が、リッチモンド市にトーチが到着する2月9日を目前に完成間近となっている。

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 クランベリーを浮かべるためのフレームとなる鉄骨(縦62メートル×横70メートル)の組み立て作業は30人のスタッフが1月末から始め、毎日約12時間ずつ続けてきた。現場に泊り込んで取り組んだスタッフもいたという。

 作業を取りまとめるのは、米・テキサス州ダラスを拠点とするデザイン会社「Design Solutions」のStephen Stefanou社長。昨年6月に、果汁飲料会社Ocean Spray社(カナダ本社=ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市)から「リッチモンド市を代表する農作物クランベリーを使って、オリンピックにちなんだアートプロジェクトを考えてほしい」と依頼され、今回の企画を発案した。

 Stephenさんは、これまでにもニューヨークのロックフェラーセンターや、ラスベガスのベラッジオホテルで同様のプロジェクトを成功させた経験があり、「ここまで大規模なものは初めて。エンジニアのグループが合計9,000時間も費やして、川の流れや風向きなどあらゆる要素を考慮して設計した大作になっている」と作品の出来に自信をみせる。

 組み立て作業を行っている場所から約6.5キロ離れたオーバル前まで、フレーザー川に浮かべて移動する。「最大の難関は4カ所の橋の下を通過するとき。潮の満ち干のタイミングを上手に使えばうまくいくはず」(Stephenさん)。

 昨年秋に収穫したクランベリー約1,300万個(総重量=約1万3,600キロ)は冷凍保存されており、枠組み全体の移動終了後、順に流し込んでいく。2月10日完成を予定しているが、作業の進み具合によっては少し早くなる可能性もあるという。

 同市内で20年来クランベリーを生産し続けてきたというDan Keeferさんは「オリンピックというスポーツの祭典と地元の産業を関連付けた今回のプロジェクトはとてもいいアイデアだと思う。このディスプレーを見た人たちが、自分が大好きなクランベリーの話題で盛り上がることを想像するとうれしくなる」と笑顔で語る。

 五輪期間中は、リッチモンド市役所前の噴水エリアにもクランベリーを一面に浮かべる予定で、地元のクランベリー農家の人たちが交代で収穫の様子を紹介したり、来場者の質問に答えたりする。

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