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今夏に向けたバンクーバー旅行会社の営業戦略

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     航空便数の減少、燃油サーチャージ値下げの影響は

「エア・カナダの2年前の名古屋発着、昨年10月末の関空発着便、ノースウエスト航空の関空発~デトロイト行便の廃止もあり、カナダ行きの航空便数が減少して、旅行商品数を多く増やせない状況」(JTBIバンクーバー支店長の西成智恵美取締役)。

「航空券の購入割合は、4月1日の燃油サーチャージの金額値下げに伴い、座席の埋まりはかなり早く、6月に家族で里帰りされる方々の座席も例年より早く埋まっている」(Naviツアーの吉村一也セールスマネジャー)。

燃油サーチャージ料金の値下げは、旅行者にとっては飛行機に乗る動機につながっているようだ。

 

 一方、H.I.Sは「円高、オイルサーチャージの値下げというメリットもあったが、他の旅行先も同じ恩恵を受けていて、旅行の行き先競争が激しい分、たいして好影響は受けていない。ただ一方で、エア・カナダの関空発着便が昨年10月末に廃止、また景気の悪化等に関してはそれほど悪影響を受けず、昨年と比べてもあまり売上等は変わらない」(カナダ統括岡本和幸ジェネラルマネージャー)と話す。

           今夏のオリジナル商品は

季節的に座席の埋まりが早くなっても、航空券の数には限りがあり、各社とも限りのある航空券を利用して、『いかに付加価値のあるパッケージ商品を作っていくか』というのが腕の見せ所、といった状況だ。

JTBI-「ターゲットを拡大していきたい部分はあるが、今年度は日本の景気もあまり良くないこともあり、幅を広げるというよりは、従来の中高年の方々にJTBでしか実現できないツアー商品をきっちりと伝えていきたい。その中でも今夏はロッキーの旅行に力を注いでいきたい」(JTBI西成取締役)。

ロッキーツアーは2種類。1つは団体専用で、バンクーバーからロッキーまで、バスのみで観光するツアー。従来の飛行機&バスを利用するツアーに比べ、空港まで行く面倒を取り払い、すべてバスで行くことができるので、人気が出ている。もう1つは、個人客向けにJTB独自で開発した日本語のGPSを搭載したレンタカーを使った旅行。GPSの表記が日本語ということだけでなく、観光名所の近くを通り過ぎた際に、日本語の音声でガイドを楽しむことができる。

 

Naviツアー-「夏の戦略商品は2つ。1つは夏のウイスラーツアー。オリンピックを前に、ウイスラーを知るだけでなく、バンクーバーから豪華列車で行く旅は、ビューポイントを通ることもあり、日本の知人を連れて行くのにも絶好のツアー。特にホテル代がスキーシーズンより割安になるので、ウイスラーリゾートに行くのであれば、1泊で行くのがお勧め」(吉村セールスマネージャー)。

 

 オプションでリバーラフティングや乗馬を体験できるコースもあり、バンクーバーから3時間のリゾート地に遊びに行くのは今年の目玉。もう1つは、バンクーバーからラスベガス行きツアー。「アメリカの景気が悪いこともあり、観光客が減少して、ラスベガスの高級ホテルもかなり値段を下げた。バンクーバーから直行便もあり、ラスベガスからはグランドキャニオンにも足を伸ばすことができる。春や秋に比べ、砂漠の中ということもあり、日中はかなり暑い(日中は40度近くまで上がる)が、ホテル自体は冷房も入り、カジノやエンターテイメントを快適に楽しむことができ、3泊4日で200カナダドル~のツアー料金は例年では考えられない安さ」(吉村セールスマネージャー)。

KENT TRAVEL-スポーツ旅行を中心に手掛ける。「バンクーバーから車で3時間程の距離に位置するシアトルのメジャーリーグ、マリナーズ観戦ツアーはとても人気があり、同球団と契約してチケットを手配しているので、とても定評がある。先日のマリナーズ開幕戦にもパッケージを組み、30名弱のツアー客から注文があった。満員になった5万人の会場の雰囲気もあり、お客様に大変喜んで頂き、今年のマリナーズ観戦ツアーにも手応えを感じる」(武田修二代表取締役会長)。

 

H.I.S-「2ヶ月に1度、商品の見直しを行っていることもあり、変更になる可能性はあるが、日本では既にロッキーの魅力を謳うツアーを戦略的に出している。インバウンドのツアー商品に関しては、若者層だけではなく幅広い年齢層の方々に満足いただける多用なロッキーツアーを用意した」(岡本ジェネラルマネージャー)。

もう1つはクルーズツアー。クルーズといえば、値段が高いイメージがあるが、現在大幅に値段が下がり、クオリティーを下げずに手頃な価格で満足できるクルーズが登場している。有名なバンクーバー発のアラスカクルーズ以外にも、シアトルまでクルーズ船で行き、帰路はバスで戻るツアーなども商品化している。

 各社とも限りのある航空券をいかに有効活用して、付加価値のある旅を客に楽しんでもらえるか、商品開発に余念が無い。

旅行会社におけるバンクーバーオリンピック情報

 来年2月に開催されるバンクーバー・オリンピック情報も是非、知りたいところだが、残念ながら各社とも今夏に力を注いでいることもあり、冬はまだ先の話しといった様子。その中で、正式にオリンピック旅行を取り扱うJTBIは、「VANOC(バンクーバーオリンピック組織委員会)からホテルの情報提供が出ていないため、ツアーが作れない状況だが、8月1日にはホテルに関する情報が開示される予定なので、9月~10月ごろには販売開始が可能なのでは」(西成取締役)と話す。但し、ホテル数に限りがあり、どのくらいの数が出回るかは、まだ分からない。

旅行会社の要となる航空会社の声、バンクーバーの魅力

日本航空バンクーバー支店-「成田~バンクーバー線の利用者は、ビジネス層2割、観光客8割で、圧倒的に観光利用層が多い。毎年催行している『チャーター便で行く紅葉のカナダ』は今年も催行予定の人気の商品。関西、名古屋、福岡のお客様にもダイレクトにカナダへ旅行できるツアーなので、地方のお客様にもカナダを味わっていただけるとてもいい機会になるのでは」(篠原支店長)。

観光だけではなく、オリンピック、パラリンピックサポートの一環として、リッチモンド市、オリンピックオーバルの協力を得て、日本スピードスケート協会のオリンピック合宿(7月、10月の2回)に伴い、選手、大会関係者を安全かつ快適に送迎する役割を担うほか、今年9月より、従来のバンクーバー線の座席から金額に変更なく、ビジネスクラスの座席にフルフラットシート導入するなど機内設備の充実化にも力を注ぐ。

「来年2・3月には、バンクーバーでオリンピック、パラリンピック開催、今年の7月には天皇・皇后両陛下がカナダをご訪問され、バンクーバーやビクトリアにもお立ち寄りになることが決まっているので、今年、バンクーバーはかなり注目を浴びることになるでしょう。そのような注目の集まるバンクーバーに快適にお越しいただけるよう日本航空もサービス向上に努めていきたい」(篠原孝昌支店長)。

 

 オリンピックを前に、かなり活気づく様相が漂うバンクーバーで、旅行会社、航空会社ともサービス向上に鎬(しのぎ)を削っている。

「メジャーな都市から雄大な自然に30分で行けるのは北米ではバンクーバーぐらい」(HIS岡本マネジャー)。自然を身近に感じることができるのが、バンクーバーの魅力。不明な点、さらに話しを聞きたいことがあれば、気軽にバンクーバーの旅行会社に問い合わせてみることをお勧めする。各社ともウェブサイトにも力を注いでおり、各旅行会社のWebから、各自の旅行をサポートしてくれる最良の旅行会社を見つけて、一生の思い出になる旅行を経験されることを期待したい。

JTB International

HIS CANADA

Naviツアー

KENT Travel

JAL

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