「2010年車いすラグビー世界選手権」最終日の9月26日、日本は準決勝で53対47とスウェーデンを6点差で破り、念願の銅メダルを獲得した。
パラリンピックをはじめ、世界選手権でのメダル獲得は初となる快挙。同試合前夜、2時間に及ぶチームミーティングを重ね、気を引き締めた日本チーム。「メダルゲームに絡む」という目標を胸に、コミュニケーションの取れた「強い日本のラグビー」を見せた。「今まで(試合)は追う立場で逆転してきたところを今日は追われる立場になり、そこを乗りきって更に点差を広げられた」とキャプテンの佐藤佳人選手。
試合終了のホイッスル直後、涙を見せる選手やマネジャーらが抱き合い喜びをかみしめ合った。試合後、島川慎一選手は「今までで最高の結果。長かったがやっとここまで来た。やっぱり(昔に比べて)日本は強くなった」と喜びを表した。
観客席には数百人の日本チームのサポーターが駆け付け、日本国旗を仰いだ。白忍者を装った熱血応援団「日本マン」らとともに「ニッポン」コールがさく裂した。
来年、韓国・ソウルで開催するアジア・オセアニアゾーン選手権では、2012年ロンドン・パラリンピックの出場が懸かっている。「ニュージーランドとオーストラリアに勝つため、もっともっと強くならなくては」と島川選手。今後の抱負として「自分が持っている知識を新しい選手にも伝えていきたい」とも。
同世界選手権の結果は、1位アメリカ、2位オーストラリア、3位日本、4位スウェーデン、5位カナダ、6位イギリス、7位ベルギー、8位ポーランド、9位ニュージーランド、10位ドイツ、11位フィンランド、12位アルゼンチン。3.0クラスのベストプレーヤー(Most Valuable Player)にはカナダカップに続き、池崎大輔選手が選ばれた。