バンクーバーの納豆工房「Natto King Kitchen Works(納豆キング・キッチン・ワークス)」(1424 Haro St)がカナダ産のオーガニック納豆の販売を開始し、1月28日、日系コンビニエンスストア「みんなのコンビニ屋」(1238 Robson St, TEL 604-682-3634)で試食会を開いた。
同工房はオンタリオ州トンプソン社から北米産のオーガニック大豆を仕入れ、バンクーバーの工房で納豆の3大納豆菌種の一つである成瀬菌を使用し、室(むろ)で40度~42度の高温で20時間温度を微妙に調整しながら発酵し、その後24時間熟成する。「家庭でも納豆を作ることは可能だが、温度調整が難しく、雑菌が入ることもあるほか、湿度も80%から95%に調整しなくては風味の良い納豆は作れない」と話すオーナーの中村Manto真人さん。
何度も試作を重ねて開発した納豆は大粒で「柔らかく、大豆の味がしっかりしている」点が特徴。試食会に訪れた日本人からも「柔らかい。おいしい」と好評を得ていた。中村さんは「まずは若い方が多く利用する『コンビニ屋』さんで販売し、まだ日本の味を覚えている留学生の方に試してもらい反応を見ていきたい」とし、自身もベーガンということもあり、「納豆は肉、魚に代わるタンパク源で栄養が豊富に含まれる。畑のたんぱく質として徐々に地元の人にも浸透していけば」と期待を寄せる。
現在、バンクーバー首都圏のアジア系スーパーで販売されている納豆は冷凍販売が主流。製造してから4日目に出荷する同工房の納豆は冷蔵で販売する。「出荷日から20日間はおいしく食べられる」ほか購入後冷凍し、長期間保存することもできる。「スーパーで販売される納豆のタレには化学調味料が含まれていることが多い」とタレなしで販売。「Natto Kingはお好みのしょうゆをかけるだけでおいしく食べることができる」とも。
価格は4.99カナダドル。プラスチックの容器に入った納豆1パックは200グラムで、通常日本で販売されている納豆の4倍の量。「みんなのコンビニ屋」のみで販売する。中村さんは「現在は大粒の納豆を製造しているが、小粒の納豆も『Natto Queen(納豆クイーン)』として開発していきたい」と笑顔をみせる。
「みんなのコンビニ屋」の営業時間は11時~翌1時。