日本人新進デザイナーのコウジタイスケさんが3月24日、バンクーバー・ファッションウィークに参加、自身のブランド「KOH T」2013年秋・冬コレクションを披露し好評を得た。コウジさんの参加は昨年に続き2回目。
今回用意したのは12ルック、約30着。「グレーや黒などの落ち着いた色合いで一見ベーシックに見えるが細部にこだわったデザインのワンピースやパンツスーツ」などが登場。コウジさんは「今シーズンのテーマは『アブストラクト』。アメリカのアーティスト、アド・ラインハートさんの作品にインスパイアされた色使いや作品になっている」と説明する。
「作品の素材は日本産のみを使用している。ニットは糸から国内で染めてもらったものを使い、ストールは兵庫県西脇の播州(ばんしゅう)織の本藍染めを使用している」などのこだわりも。「日本製の素材は品質も発色もとても良い。自分のデザインを通して素材の良さももっと発信していけたら」と思い入れを話す。
学生時代から数々の受賞歴を持つコウジさんは現在25歳。デザイナーとして確実にキャリアを重ねているが「有名になりたいとかではなく、少しでも良い物を作ろうと努力しながら勉強を続けていくことが大切だとずっと思っている」と謙虚な姿勢を見せる。
2度目のバンクーバーの印象を「人はフレンドリーだし、ロンドンなどファッション都市として確立された所より、新しいことを始めようという人や雰囲気が強く感じられ刺激をもらえる楽しい街。ぜひ、また戻って来たい」と笑顔で話した。