バンダイナムコゲームスの子会社バンダイナムコスタジオ（本社＝東京都品川区）は4月10日、北米地域の拠点としてバンクーバーに「NAMCO BANDAI Studios Vancouver Inc.」（#210-577 Great Northern Way, Vancouver）を新設し、6月から業務開始することを発表した。東京本社と連携して、ヒットタイトル開発経験が豊富なスタッフを日本から派遣し、地域の市場・トレンドを深く理解する現地採用スタッフと共同作業を進める。資本金は100万カナダドル。

　同社は、バンクーバー進出の理由を、カナダのデジタルコンテンツ開発の源流になっている場所であることや、ゲームコンテンツ開発の長い歴史を持つこと、アメリカ西海岸地域の刺激を受けながら、重層的なゲーム産業を形成している、コンソールゲーム、モバイル・ソーシャルゲームを中心に開発する中小規模のスタジオが多数所在しているなどとし、グローバル市場で存在感を高め成長していくことや、日本国内で開発するコンテンツだけではなく、海外各地域の文化、トレンドに根差したコンテンツを開発し、世界各地の顧客に届ける体制を構築することを目標に掲げる。

　地域4大学の連合によるデジタルメディア人材育成を専門とする大学院「The Center for Digital Media」（CDM）のキャンパス内にオフィスを開設することで、CDM とのパートナーシップを通じた人材の育成・獲得を進めながら、北米・欧州地域向けに次世代への「夢・遊び・感動」を届けるコンテンツ開発を行い、行政機関、CDM 以外の教育機関との産学官連携や地域企業との協業を通じて、バンクーバーにおけるゲーム産業のさらなる活性化に貢献していく。

　中谷始（はじめ）社長は「カナダの教育機関、ビジネス、政府の連携によって生まれた優秀な人材を最大限に生かして、最新かつ人々を驚かせるような業績を必ず残すことができる」と自信を見せる。

　現在、ブリティッシュ・コロンビア州内のゲーム開発関連会社では、85社で5000人以上を雇用し、カナダ国内でのビデオゲーム業界の中心的役割を果たしている。東南アジア地域の拠点として、シンガポールにもオフィスを設ける。