多くのカフェやレストランでにぎわうコマーシャルドライブに、地元のアーティストによる日替わりライブと日本食を楽しめるユニークで斬新なスタイルのレストラン「Lime(ライム)」 (1130 Commercial Dr. Vancouver, 電話 604-215-1130)がオープンし、地元客の評判を集めている。同店は、ランドセル製造などでも知られる土屋鞄製造所(東京都足立区)が昨年12月に出資した。
約3,000平方フィートの広い店内は、寿司バーとカクテルバー、音楽を聴きながら食事を楽しむダイニングセクションに分かれ、現代的な内装に伝統的な日本傘、竹で壁を飾るなど日本独特の空間を演出する。シェフは、日本で長年修行を積んだ日本人のみで、そばも手打ちと本格的。寿司バーは、毎日新鮮なネタを仕入れ、寿司を握る熟練の技を視覚からも楽しめるようにとネタケースも取り払った。席数はカウンター席を含む88席。
銀ダラの西京焼(18カナダドル)やトロのユッケ「Toro Stack」(13カナダドル)、洋風食材ポートベラマッシュルームをパン粉で揚げ日本の味付けを施した「Panko Portabella(12カナダドル)」や「Crispy Avocado」などのメニューが「人気」(同店)という。料理長の工藤さんは「納得した素材のみを使用している。日本の料理法を生かしながら地元の人にも日本料理を理解して楽しんでもらいたい」と話す。日本の料理を的確に説明できるようスタッフの教育にも力を入れる。
カウンターバーでは日本から直輸入の酒「からい酒」、マティーニや「ミカン」と名付けられたオリジナルカクテルなど種類も充実させた。食後にバーカウンターへの移動も可能。
日替わりのライブショーは21時、21時30分からスタート。スタンド・アップコメディー(独演コメディー)、ジャズ、ポップやロックなどジャンルもさまざま。ショーは地元のアーティストで構成。ライブの人選はバンクーバーで旬のアーティストの中からエージェントとともに決める。毎日変わる出演アーティストはサイトで確認できる。カバーチャージは、通常5〜15カナダドル。
責任者の李さんは「『ライム』出店は、ライブミュージックを聴かせる日本食の店がバンクーバーにはないことから。音楽は世界をつなぐ。日本食やフィンガーフードの寿司にもジャズやポップなどのライブが自然に調和する。ライムに来るだけで食事やお酒、エンターテインメントをゆっくりと楽しむことができるのが店のコンセプト」と話す。「3月3日にはアコースティックギタリストで有名な日本人Sumide masa(住出勝則)さんがライブに登場する。新しいスタイルの店『ライム』に、ぜひ遊びにきてください」とオーナーの土屋育江さん。
想定客単価は25ドル~。営業時間は17時~1時(ラストオーダー、キッチンは22時30分、寿司バーは24時まで)。月曜定休(3月3日は営業)。