バンクーバーのサンセットビーチで8月20日から、無料で「ロミオとジュリエット」が上演される。観劇普及の目的で地元の演劇プロダクションMnemonic Theatreが主催。

主演女優2人によるサンセットビーチでのリハーサルの様子

　今回上演される会場は、シェークスピア・フェスティバルの会場を対岸に臨むビーチ上。同プロダクション、ディレクターのJordan Dibeさんは「トロントにもニューヨークにも無料のシェークスピア上演がある。バンクーバーにもあっても良いのでは？」と企画のいきさつを話し、「最も有名なラブストーリーを地球上で最もロマンティックな会場で無料上演するというのがわれわれから愛する街バンクーバーへのギフトだ」とも。

　同作に出演するのは地元の8人の俳優たち。世界的に有名なストーリーラインを、女優2人を主演に、同性愛バージョンで演出する。「（主演が女優2人となったのは）キャスティングが大きな理由。性別に関係なく最適な役を配した。女優が多くいたこともあり、このめったにない機会を逃さないことにした」（Dibeさん）。

　ロミオを演じるのはUBCの演劇プログラム、2年生のGhazal Azarbadさん。「ロミオを演じると聞き、とても感激した。女優にとってこんな経験ができるのはめったにないことなので」と、相手役Emma Johnsonさんとの有名なバルコニーシーンのリハーサルを前に意気込みを話した。

　「バンクーバーの皆さんに伝えたいのは『愛は愛』ということ。同姓間の愛も異性間の愛と同じように真実の愛なのだ。どのような形でも愛は愛というメッセージを受け取っていただければ」と、自身もゲイで、同プロダクション、アーティスティックプロデューサーのCaleb McMullenさんと共に地元の同性愛者コミュニティーの活動に積極的に参加しているDibeさんは話す。

　上演スケジュールは20日～22日、27日～29日、19時開始（25日と31日は14時開始）。観賞は無料だが任意の寄付は受け付ける。