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東京芸大生監督作品「はつ恋」、バンクーバー国際映画祭で上映

バンクーバー国際映画祭で新人監督賞(ドラゴン&タイガー賞)に作品「はつ恋」がノミネートされた鶴岡慧子監督(右端)と制作チームの同級生たち

バンクーバー国際映画祭で新人監督賞(ドラゴン&タイガー賞)に作品「はつ恋」がノミネートされた鶴岡慧子監督(右端)と制作チームの同級生たち

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 開催中のバンクーバー国際映画祭(Vancouver International Film Festival)で作品「はつ恋」がドラゴン&タイガー賞にノミネートされた鶴岡慧子監督が来加し作品と映画製作への思いを語った。                 

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 鶴岡監督は現在、東京芸術大学大学院映像研究科に在学中の大学院生。イワン・ツルゲーネフの著作「はつ恋」を原作として作られた同作品は同科講師を務める黒沢清映画監督から出された課題として制作したもの。鶴岡監督は「実はそれまで原作を読んだことがなく、原作を読みながら台本を仕上げていった」と振り返る。制作は美術や撮影を学ぶ同級生とチームを組み行った。

 舞台をロシアから1990年代の東京に変え、祖母が残した古いビルを舞台に高校生恭一の淡くはかない初恋の思い出を描く。鶴岡監督は「大人になった恭一が初恋の思い出を回想するノスタルジックな雰囲気を出したかったので、舞台が少し前の東京になった」とし、「結果的に携帯電話もない時代で好きな人に会いたければ直接出掛けて行かなければいけない、というような場面もあり良かったと思う」と話す。

 小学5年生の時から映画監督になりたいと希望していたという鶴岡監督は長野県の高校を卒業後、立教大学映像身体学科に進学。卒業制作として撮った「くじらのまち」 が2012年ぴあフィルムフェスティバルのグランプリを受賞し、作品は釜山やベルリン、ブエノスアイレスなどの映画祭で上映された。「応援してくれている親に映画を見せる事ができたし、多くの人に出会えた1年でとても感謝している」。

 バンクーバーからの帰国後は大学院の卒業制作を撮り、いよいよ卒業となる。「今までは学生で、特に東京芸大では映画を学ぶのにも作るのにもとても恵まれた環境にあった。卒業後しばらくは冷や飯を食う覚悟で頑張るつもり」と、今後も映画を撮り続ける決意を笑顔で話す。

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