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バンクーバーで「エコ・ファッションウイーク」-古着ファッションショー、満席に

68ポンド分の古着リメークによるファッションショー「68ポンド・チャレンジ」

68ポンド分の古着リメークによるファッションショー「68ポンド・チャレンジ」

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 ダウンタウンのロブソンスクエア(800 Robson Street, Vancouver)で10月6日~10日の5日間、「エコ・ファッションウイーク」が開催され、環境に優しいファッションに興味を持つ来場客らでにぎわった。2010年から毎年、春と秋の2回開かれてきた同イベントでは、オーガニック素材、リサイクル材料を用いたブランドやデザイナーを紹介してきた。今回が7回目。

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 地元のデザイナーNicole Bridgerさんがオープニングを飾り、自身の秋冬コレクション「You Are Not Alone」を披露したほか、「生産、流通、消費システムの再考」をテーマとして開かれたセミナーでは、「衣料品材料のサステイナビリティー度の評価方法」(Bluesign Technologies社、Mountain Equipment Co-op社)、「テキスタイルに含まれる有害物質のテスト方法」(OEKO-TEX社)、「リサイクル生地を利用した自動車業界でのエコへの取り組み」(Ford Motor Company社)などについて、活発な議論が飛び交った。

 期間中に行われたファッションショーは毎回満席で、多くの立ち見も出るほど。リサイクルショップ「Value Village」提供の古着を活用したファッションショー「Thrift Chic Challenge」と「68 Pound Challenge」は特に注目を集めた。北米で毎年一人当たりがごみとして出す衣料品は68ポンド(約31キロ)であることをヒントに企画されたファッションショー「68ポンド・チャレンジ」に、今回初めて挑戦した新進デザイナーのEvan Ducharmeさんは「高校時代には、いらなくなった服や生地を使って新しい洋服を作り、チャリティーに出したりしていた。当時を思い出して古い服たちを新品同様に生まれ変わらせる作業は苦労も多かったが、まだまだ使えるのにごみとして埋め立て地行きになってしまうのは本当にもったいないので何とかしようと知恵を絞った」と振り返る。

 「バンクーバー市を2020年までに『世界一グリーンな街』にしよう」と、自転車専用レーンの設置などのエコ政策を積極的に推進しているGregor Robertsonバンクーバー市長も「サステイナブルなファッショントレンドを世界に発信していくことほど、この街にぴったりなことはない。多様な文化と才能にあふれたバンクーバーのファッション業界がさらに成長していくよう期待する」とメッセージを寄せた。イベント創設者のMyriam Larocheさんは「環境保護を意識して、エコな生活を送るための方法はさまざまで、個人によっていろいろな取り組み方ができるはず。ここで見たり聞いたりしたことを参考にして、バンクーバーのファッション業界がよりエコな方向へ進むことを願っている」と抱負を語る。

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