ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市の日系人が多く住むスティーブストン地区で7月1日、「第62回スティーブストン・サーモン・フェスティバル」が開催され、カナダディと同地区コミュニティーの遺産を祝うため75,000人以上の住民とボランティアが参加した。スティーブストンコミュニティー協会主催。

　同フェス1945年以降、毎年実施されている。メーン会場となったスティーブストンコミュニティーセンターでは、パレードやステージイベントが行われ、展示会やミニ遊園地なども開かれた。

　メーンイベントは、545キログラム以上ものサーモンが来場者の目の前で焼かれるサーモンバーベキュー。この日は野外の特設料理ブースで絶え間なく大量のサーモンが焼かれ、香ばしい香りで来場者を魅了。人気のサーモンバーベキューを求めて長蛇の列ができた。サーモンプレートは、野菜やパンが付き1皿12カナダドル。参加者らはサーモンバーベキューを堪能しつつ、カナダディと同フェスを祝った。

　スティーブストンは古くから漁業が盛んで、特にサーモンが有名な地域。戦前から漁業従事者としての日系移民も多く、日本人名が付いた通りや学校などがある。そのため日本文化の紹介も同フェスの主要なイベントとなった。スティーブストンコミュニティーセンターには武道館があり、柔道、剣道、空手、盆踊りなどのデモンストレーションも行われた。日系文化センターでは着物や日本人形などが紹介され、日本文化に関する展示も行われている。当日は、折り紙や盆栽教室などの文化交流イベントも行われた。

　今回初めてスティーブストンを訪れた日本人留学生は「豪快に焼かれるサーモンは圧巻だった。漁業を中心とする町並みは日本に似ており、日系移民の活動も活発なことから、地域に根ざした日本文化を感じることができた」と話していた。