バンクーバーのダウンタウン各所で3月7日・8日、レーザー光を使ったグラフィティ・プロジェクト「NeoGraf」が行われる。New Forms Media SocietyとVancouver 2010 Cultural Olympiadの共催。
今回のイベントでは、レーザー光を利用した新しい技術を使うことで、「スプレー缶で建物の壁や広告に書かれたいたずら書き」というグラフィティの一般的なイメージを一新する。グラフィティの芸術としての幅の広さや技術の進歩を理解してもらうことを目的として、バンクーバーの地元アーティストを中心に、モントリオールのNomIgやニューヨークのGraffiti Research Lab(GRL)の技術を結集して実現。
RhekさんとVirusさんの2人のアーティストがLaser Tagging(レーザー光で建物の壁面に文字や絵を描く)を披露(7日)するほか、Neal NolanさんとAdam Doddさんが、同様のテクニックを使ってMural(壁画)投影を行う(8日)。
Laser Taggingの技術は、オランダ・アムステルダムのアーティストTheodore Watsonさんによって見出されたあと、MIT(マサチューセッツ工科大学)やCUNY(ニューヨーク市立大学)などの協力で、Eyebeam研究所が開発。GRLがさらに改良を加えたものを世界中に普及させ、通常のスプレー缶で描くのと同じ要領で、レーザー光を自由に操って建物の壁面などあらゆる場所に作品を描くことを可能にした。
NomIgのEd Jordanさんは「GRLが2007年に発表したLaser Taggingの技術をもとにして、より複雑な作品を描けるようにしたことで、壁画の投影が可能になった。規模の大きなグラフィティを描くことで人目に触れるチャンスが増え、アーティストのメッセージが多くの人に伝えられる。一番の魅力は、公共の建物を汚して迷惑をかけることがなくなったこと」と話し、「カナダではモントリオールが最初で、次第に認知度が高まってきた。今回のバンクーバーをきっかけにカナダ全土に広まれば」と期待する。
同イベント責任者のJesse Scottさんは「開催直前まで、最適なロケーションを探し続けるので、ぎりぎりまで具体的な場所については発表できない。イベント当日にサイトで確認をしてから出かけてほしい」と話す。