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バンクーバーに和風カフェ「Basho Cafe」-日本人親子が開業

「Basho Cafe」店内

「Basho Cafe」店内

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 バンクーバー・イーストサイドに和風カフェ「Basho Cafe」(2007 E. Hastings Street, Vancouver、TEL 604-428-6276)が2月にオープンしてから間もなく2カ月になる。在住日本人だけでなく地域住民にも広く受け入れられ、すでにリピーターも定着し始めるなど、客足を順調に伸ばしている。

Basho Cafe人気のランチメニュー「Tuna Tataki」(9.50カナダドル)

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 同店を切り盛りするのは川井広さん、美朱(みじゅ)さん、萌野(もえの)さん親子。ノースバンクーバーなどですし店を夫婦で14年間経営した後、一度はリタイアした。「もともと人と接することとものを作ることが大好き」という美朱さんは4年間、ゆっくりとヨガや陶芸など趣味中心の生活を送っていたが、「お客さんと近い場所にいて、自分が作ったものを通して喜んでもらえる店を作りたい」という気持ちが徐々に強くなり、カフェの出店を考えるようになったという。ベルリンやブリュッセル、東京などを旅行しながら、いろいろなスタイルのカフェを見て回り自分の店のイメージをつくり上げた。

 店舗面積は800平方フィートで、席数は16席。店内には、レコードが好きな萌野さんが選んだ落ち着いた音楽を流し、広さん手作りの木製のテーブルや椅子はシンプルだが温かみにあふれ、ステンドグラスの飾りが彩りを添える。美朱さんは「プラスチックやビニールなどの人工的な冷たい感じのするものをなるべく目に見えないようにして、自然の温かさに囲まれた空間作りを心掛けた」とし、「全てがそろっていて格好良過ぎる店はちょっと敷居が高くて入りにくい。照明や小物類なども骨董(こっとう)市やリサイクルショップで見つけたものなので全て違っているが、それぞれがいい味を出している」と話す。「最近どこでもコンピューターを広げてカフェで勉強や仕事をしている人たちを見かけるが、うちはあえてWi-Fi無しのアナログな憩いの空間にしたい」とも。

 「『Basho』という店名を聞いて、日本文化に通じている人の中には、松尾芭蕉から取った名前じゃないかと思っている人もいるようだ」という美朱さん。日本語でも英語でもスペルが短くて覚えやすい言葉を選び、「いろいろな人たちに喜んで来てもらえる『場所』」「ほっとしてゆっくりできる『場所』」「「仲間と集まれる『場所』」「それぞれにとっての特別な『場所』」という意味を込めて名付けた。「老夫婦も、子連れのお母さんグループも、1人で本をゆっくり読みたい若い人も、編み物をしながらお茶を飲みたい人も、『皆さん、私のうちに遊びに来てください』という気持ちで歓迎したい」と笑顔を見せる。

 メニューは、「Tuna Tataki」(9.50カナダドル)、「Teri Pulled Pork」(8カナダドル)や日替わりスープ(4カナダドル)のほか、萌野さんが毎日丁寧に焼き上げるマカロンやクッキー、ブラウニー、ミニマフィンなどのスイーツ類(0.50~3カナダドル)はグルテンフリーのものも用意する。地元ロースター「Hand Works Coffee Studio」のコーヒー豆を使ったエスプレッソやカプチーノなどのドリンク類(2.50~4カナダドル)や、「Tea Guy」のルースリーフティー(2.85カナダドル)、ホットチョコレート(3.5カナダドル)、特製チャイラテ(3.25カナダドル)など、ドリンクも手頃な価格で提供する。

 「今日はどんなお客さんが来てくれるだろうかとワクワクしながら仕事に来ている。次々とやってみたいことが思い浮かび、とにかく毎日が楽しくて『生きている』感じ。3人一緒に『阿吽(あうん)の呼吸』で、自分たちにできることを無理しないでやっていきたい」と美朱さん。「抹茶を使ったメニューの人気が高いので、レシピの研究をさらに重ねて日本的なメニューやグルテンフリーの種類を増やしていきたい」と今後の抱負を語る。

 営業時間は9時~17時(土曜・日曜は16時まで)。月曜・火曜定休。

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