日曜午後のショッピングを楽しむ家族連れや多くの観光客があふれるロブソンストリートで8月24日、上半身裸になった男女のグループが「公共の場で女性が自由にトップレスになる権利」を主張してデモ行進を行った。
バンクーバー美術館前の階段で日向ぼっこを楽しみながら読書をするトップレスの女性
パレードの到着地点となったバンクーバー美術館(750 Hornby Street, Vancouver)前広場では、通りすがりの観光客らがトップレス集団を取り囲み、人だかりができた。プラカードを掲げた代表者が「女性も気兼ねなくトップレスに!」「男女平等の権利を!」と訴える様子を、英語が分からないまま、「バンクーバーはすごい町だ」と必死で写真やビデオに収めようとする外国人観光客や、口元を緩ませながら携帯電話で撮影し、ツイッターやインスタグラムなどで投稿する若者の姿も。
バンクーバーだけでなく、シアトルやニューヨーク、ラスベガスなど北米やヨーロッパを中心として世界50都市以上で一斉に行われた「ゴー・トップレス・デー」のイベント。2007年にニューヨークで公共の場で上半身を露出した女性が逮捕され、その不当性を訴えた結果、裁判で勝利を収めたことをきっかけとして始まった。1920年8月26日にアメリカで女性が参政権を獲得したのを記念して、8月26日が「女性平等の日」に制定されたことから、その日に一番近い日曜に毎年行われている。バンクーバーでの開催は今年で5回目。
「(バンクーバーでは)トップレスで外を歩くことは法律的には問題がないことで、暑い夏の日に男性たちはどんどんシャツを脱いでジョギングしたりしているのに、女性はどうしても周りの目を気にして自分を抑えてしまうことが多い。もっと男性と同じように自由になっていいはず」と訴えかけるのは、バンクーバーのイベントオーガナイザーDenise Belisleさん。「多くの人の注目を集めて、私たちの主張が少しでも多くの人たちに広まることはうれしいが、本当ならこうやって上半身裸で街中を歩き回っても誰も気にも留めないような社会になることがこの運動の目的」と説明する。
今回、アジアで同イベントが開催された都市は香港のみ。