現在開催中の「バンクーバー国際映画祭」で9月29日、スペシャルガラ作品として招待された「バンクーバーの朝日」がダウンタウンのシアター「The Centre for the Performing Arts」(777 Homer Street, Vancouver)で上映され、会場内はもちろん、周辺は集まった大勢のファンで騒然となった。
映画の舞台となったバンクーバーでのワールドプレミアであり、初回上映には、日本から石井裕也監督、妻夫木聡さん、亀梨和也さんも来場。レッドカーペットイベントや舞台挨拶があるため、前売りチケットは即完売した。当日は、上映時間の6時間以上前から数少ない当日券を求めて「大好きな妻夫木くん、亀梨くんと一緒に世界で最初にこの映画を見たい」というファンや、少しでも良い席で作品を見ようと集まった人たちが行列を作った。
会場前に横付けされたリムジンから、石井監督と妻夫木さん、亀梨さんが降り立つと、待ち構えたファンから歓声と拍手が沸き起こり、3人は笑顔で応えながらレッドカーペットへ。集まった地元メディアの記念撮影、テレビ局の取材に応じ、「バンクーバーの皆さんにこうして歓迎してもらえて感動している」と喜びを語った。
上映開始前の舞台挨拶に大歓声に迎えられて登場した妻夫木さんは「Good evening. I’m Satoshi Tsumabuki. I’m very glad to be here today.」と英語で始め、「皆さんがこの『バンクーバーの朝日』を最初に見るお客さんです。この作品にはみんながほんとに魂を込めて作りました。その映画をバンクーバーの人たちに見ていただけるということを光栄に思います」と話し、亀梨さんは「Hello. My name is Kazuya Kamenashi. I’m so excited to be here. I hope you enjoy the film. Thank you.」と流ちょうな英語でスピーチすると、ほっとした様子で笑顔になり、観客から大きな拍手を受けた。
会場には特別ゲストとして、「バンクーバー朝日」OBで92歳になるケイ・上西さんも来場。監督らに囲まれて登壇し、「日本から何度も取材に来られて完成したこの作品が、バンクーバーで上映されることになりありがたく思う。この映画を内外の皆様に見ていただき、理解していただき、大変困難な時代にもかかわらず、1914年から1941年までの27年もの間、『バンクーバー朝日』軍が続き、カナダの歴史の1ページに加わったことを光栄に思う」とあいさつした。
同祭では当初予定していた全3回の上映に加えて、10月9日15時30分から、同シアターで追加上映することを急きょ決定している。