観光客向けの土産物屋やレストラン、ギャラリーなどが多く立ち並ぶガスタウンの一角に、男性用デザイナー・ブティック「Komakino」(109 West Cordova Street、TEL 604-618-1344)が2月にオープンした。バンクーバーでは手に入りにくいヨーロッパやアジアのデザイナー商品を取りそろえ、6カ月~12カ月ごとに場所を移動していく「ゲリラストア(期間限定ショップ)」として話題を呼んでいる。今回が5店舗目。
アートギャラリーの地下スペースを使った約70平方メートルの現在の店舗は、内装にはほとんど手を加えず、オリジナルのレンガ造りの柱や木造の壁をそのまま生かした状態でアレンジ。大きな長方形の木箱が無造作に置かれた上に靴が並び、壁面に刺したフックにベルトやアクセサリー、バッグ類をかけてディスプレーイするなど、狭いスペースを有効活用している。
商品はすべて、オーナーのCampbell McDougallさんが現地を訪れて、直接買い付ける。ヨーロッパで人気の「Damir Doma(ダミール・ドーマ)」や「Rick Owens(リック・オウエンス)」のほか、「Number (N)ine(ナンバーナイン)」「Undercover」「The Viridi-anne(ザ・ビリディアン)」「Julius(ユリウス)」など近年、海外での評価が上昇している注目の日本人デザイナーのアイテムも取りそろえる。
客層は20代~50代と幅広く、米テレビシリーズ「Stargate Atlantis」の俳優Jason Momoaさんや「The Cosby Show」の女優Lisa Bonetさんなども来店したことがあるという。
バンクーバー出身のCampbellさんは、現在ベルリン在住。以前は内装などにもこだわった、大規模で高級感漂う店舗を経営していたが、ベルリンで川久保玲さんの「コム・デ・ギャルソン・ゲリラ・ストア」に出会い、飾り気のない店構えの中にある品ぞろえの良さがとても気に入ったため、バンクーバーの街中で見かける利用されていない空間を使って、同様の「ゲリラ・ストア」を展開することに。店名の「Komakino」は、Campbellさん自身が好きなイギリスのバンド「Joy Division」の曲から名付けた。
日本には年に合計6~8週間滞在し、新商品を仕入れてくるというCampbellさん。「日本のデザイナーの商品は質が良く、ファッション業界の最先端を行くセンスが光るものが多いので、とても気に入っている」と話し、「日本は訪れるたびに好きになる。実際に住んでみたいし、いつか日本へのビジネス進出も実現できれば」と抱負を語る。
営業時間は、月曜~木曜=12時~18時、金曜=12時~19時、土曜=11時~19時、日曜=12時~17時。夏には、初めてベルリンにも新店舗をオープンする予定。
Komakino Guerrilla Storeロンドン在住気鋭リメーク・デザイナーが原宿に期間限定店(シブヤ経済新聞)