ブリティッシュ・コロンビア(BC)州の動物保護団体「BC SPCA(Society for Protection of Cruelty to Animals)」が現在、ペット用緊急避難グッズの準備・確認を呼び掛けている。
BC州南部で昨年末に起きた地震の後、「そのうちちゃんと準備しようと思って、何となく先延ばしにしていたが今回はさすがにすぐ対応しようと思った」「ここ数年のうちにバンクーバーにも大きな地震が来るかもしれないと聞いてはいたが、まさか本当になるとは」と、防災の備えの大切さをあらためて実感した市民は多い。こうしたことから緊急避難グッズを買い求める人が増えていることを受け、「ペットも大事な家族の一員。準備を忘れずに」と注意を促す。
同団体で紹介するペット用の避難グッズリストには、「7日分の食料と水」「IDタグと首輪」「リーシュやハーネス」「毛布とビニール袋」「ボウル」「常備薬」「猫用トイレ」「ペット用救急箱」などのほか、「缶切り(手動)」「ワクチン接種記録」のような、つい忘れがちな項目も。
同団体の施設開発マネジャーBob Buschさんは「非常時に一緒にペットを連れて行こうとして初めて、ペットにも避難グッズが必要だと気付くオーナーが多い。即座に避難しなければならないときに、必要なものを探して集める時間はない」と話す。
Buschさんは、2003年にBC州内陸部のオカナガン地方で2万5000ヘクタールの森林と239軒の家を焼き、2万7000人以上の住民が避難を余儀なくされた山火事のときにボランティアとして多くのペットたちのために食料などを提供した経験を持つ。
「万が一のときのために準備をしておくことがいかに大切かを学んだ。ペットのことをどんなにかわいがっている人でも、災害がいつ起こってもおかしくないという事実を現実として認識するのは難しいようだ」と振り返る。