バンクーバー・ダウンタウンで7月31日、性的マイノリティー(LGBTQ)の人たちの存在の認識と権利を訴え、お互いをたたえ合う「プライドパレード」が開催された。主催はVancouver Pride Society。
斬新で色鮮やかなデザインの衣装に身を包み、ダウンタウンの目抜き通りロブソンストリートから水辺のビーチアベニューまでのコースを参加者たちが行進する同イベントは今年で38回目。
沿道にはこの日、「Better Together」をテーマに思い思いのメッセージを伝えようと50万人以上の人が詰めかけ、バンクーバーのウェスト・エンドが虹色一色に染まった。フロリダ州オーランドのナイトクラブで起きた銃乱射事件の被害者49人を追悼するために、各フロートの間では、計49本の虹色の旗と犠牲者の顔写真を掲げて歩いた。
レインボーカラーの装飾を施したフロートに乗って、軽やかなダンスを披露したりしながら、「Love is Love(どんな形であれ愛は愛)」、「We Love All Our Kids.(全ての子どもたちを愛しています)」、「I Love My Transgender Son.(性同一性障害を持った息子のことが大好きです)」などのボードを手にして、練り歩いたパレード参加者たち。スクールバスを色とりどりの風船で飾ったり、警察官の制服でパトカーに乗って参加したりするなど、学校や職場での差別反対を訴えるグループもあった。
7月3日にトロントで行われたプライドパレードに、首相としては初めて参加して話題となったジャスティン・トルドー首相も、一家そろって会場に駆け付け、沿道からは大きな歓声が上がった。「We Love You Justin Trudeau」のメッセージボードを掲げた人もおり、携帯を片手に「ジャスティン!」「こっち向いて!」と必死に呼び掛け、少しでも先回りしてもっと良い写真を撮ろうと走り出す若い女性たちの様子は、まるでアイドル歌手やハリウッド俳優たちの追っかけさながら。コース沿いに建つマンションのベランダからは身を乗り出すようにして首相に手を振る住民の姿も多く見られた。
「市全体が、家族が、コミュニティーが一体となって、この国の強さとも言える多様性を祝う時。皆が一緒になってコミュニティーや家族の素晴らしさをたたえ合い、『プライド』を持って生きていくことが大切。この場所にいられることを大変うれしく思う」と、同首相がスピーチすると、観客からは大きな拍手が沸き起こっていた。