バーナビー市の日系文化センター&博物館(6688 Southoaks Crescent, Burnaby)で9月3日・4日、「日系祭り」が開かれた。
14歳の頃の浴衣を衣装として着こなし、元気いっぱいのパフォーマンスを披露する前田由紀さん
日本文化や屋台フード、ヨーヨー釣りなどのゲームのほか、ステージでのパフォーマンスを満喫しようと多くの家族連れが詰めかけ、両日を通して約1万1000人が来場。350人を超えるボランティアたちが対応に追われた。ルイーズ阿久沢実行委員長は「日系媒体に限らず、ローカル誌や中国語新聞向けにも6月末から積極的に展開したマーケティング戦略功を奏した」と成功を喜ぶ。
今年は、元「Whiteberry(ホワイトベリー)」のボーカルで、現在はソロ活動を続けている前田由紀さんが特別ゲストとしてライブを行い、かつてのヒット曲「夏祭り」などを披露した。2013年から「あなたの夏祭りに『夏祭り』を歌いに行きます!」キャンペーンを行っている前田さんは、2014年10月にラスベガスの「秋祭り」で初海外ライブを行った後、2015年10月に台湾の「Wing Stageゲームアニメ創作展28」へ参加。今回がカナダ初進出となった。
前田さんは「バンクーバーは、山があって緑がいっぱいあって自分の出身地の北海道と似ているので落ち着く。涼しくて過ごしやすい」と感想を述べる。「ソロ活動になってからは、心細くて寂しい気持ちになることもあったけれど、見てくれている人たちが一緒に口ずさんでくれたり、(『夏祭り』をバンドで歌っていた)当時は生まれていなかったはずの小さな子どもたちまでが踊ったり手拍子を打ったりしてくれているのを見ると、『この曲をまだ自分が歌ってもいいんだ』と思えて、元気になれる」と笑顔を見せた。
同イベント恒例のタレントショー「祭りスター・タレントサーチ」では、最終予選に勝ち残った10組が、歌やヨーヨーパフォーマンス、ダンスやピアノ演奏など、日頃の練習の成果を見せ、会場を盛り上げた。1位の座に輝き、優勝賞金500カナダドルを手にしたのは、和太鼓を使ったパフォーマンスグループ「Drum Boyz」。「きちんとしたストーリー性を持たせ、演奏する曲も自分たちで作り上げているところが、オリジナリティーがあって良かった」と審査員は評価。来場者からは「今年の出場者は日系という枠を超えて、さまざまな文化や伝統を生かしたバラエティーに富んだものばかりだったので、飽きが来ず楽しめた」「毎年見ているが、年々出場者のパフォーマンスのレベルが上がっている」などの声が上がった。