現在開催中のバンクーバー国際映画祭で10月1日、エミー賞で主演女優賞を受賞したカナダ人女優タチアナ・マスラニーさんがトークイベントを行った。
人気ドラマシリーズ「オーファン・ブラック」で性格も言葉使いも全く異なる複数の人物を演じ、話題を集めたマスラニーさん。同映画祭出品の「The Other Half」ではバイポーラーの女性を演じる。
マスラニーさんはプロデューサーも務める今回の作品を「監督のJoey Kleinさんと、こういう映画を作りたいと何年も話して実現した。実際の撮影にかけた時間は短かったが、じっくりと役に入りこみ感情の浮き沈みを演じることができた」と振り返る。実生活でも恋人のトム・カレンさんとの共演を「再び出会えて恋に落ちたと感じ。少しエッチな『ごっこ遊び』のような感じでもあった」と冗談めかして笑う。
観客から聞かれた役作りについての質問には「『オーファン・ブラック』では科学者や方言研究科に聞きながら、『The Other Half』ではバイポーラーに関する資料や体験談を多く読み不自然にならないように役を作り上げた」と明かす。ドラマで複数の役を務めた際には「全く新しい自分の目で世界を見て演じるのはチャレンジではあったが、やりがいがあった。新しいオファーが来る時に1人で何役もやりたいか、と聞かれるのには困るが」と笑う。
俳優として駆け出しのころにはバンクーバーで即興演劇のグループにも参加していたマスラニーさん。「バンクーバーでは素晴らしい俳優たちが多く活動している。ハリウッドとは違う芝居が存在する素晴らしい場所」と懐かしむ。
今後については「人間の見苦しいところも全てさらけ出すような役にとても引かれる。予算の大きさにはこだわらずに、自分が挑戦できる役と台本で決めるというのは変わらないと思う」と芝居にかける情熱を見せた。
「The Other Half」は10日18時から上映。チケットは同映画祭のホームページと上映館窓口で販売する。