全米各地でトランプ氏に対する抗議デモが広がる11月10日、バンクーバーのダウンタウンでも若者を中心とした200人以上が参加する行進が行われた。

反トランプのプラカードを手に行進

　現在バンクーバーに建設中の「トランプタワー（Trump International Hotel and Tower）」から始まった行進は目抜き通りであるジョージアストリートを通りダウンタウンを約3時間巡回。多くの人が「Love Trumps Hate（愛は憎しみに勝つ）」「Girls Just Wanna Have Fundamental Rights（女性が基本的な人権ほしいだけ）」「I am Human（私は人間だ）」などと書いたプラカードを手に行進。開始当初は100人ほどだった参加者は終了時には200人を超えた。

　参加者の多くは10代後半から20代の若者たち。ヒスパニック系やイスラム系、アジア系、白人など、さまざまな人種構成で、中にはLGBTの虹色の旗を持った人の姿も。それぞれが「自分の国のことではないが自分にとっても大切なこと」「アメリカの友人たちが心配」などとの抗議の思いを表した。

　高校生の娘と参加したバンクーバーの女性は「世界に向けてあの様に差別的な発言を繰り返した人が謝罪もせずに大統領になってしまう事実は、差別をしても良いという間違ったメッセージを与えてしまう。アメリカ人ではなくとも許せない」と参加の理由を話し、ダウンタウン在住のアメリカ人男性は「なぜ当選してしまったのか」と嘆きながらも「カナダの人が共に抗議してくれるのは心強い」と話した。

　バンクーバーでは昨年より同タワーの名前変更を求める署名運動も起こっており、現在バンクーバー市長を含める2000人近くが賛同を表明している。