バンクーバー空港南ターミナルにあるLandmark Aviation(4360 Agar Dr., Richmond)に11月5日、北カリフォルニア各地にあるシェルターから救出された保護犬60匹が到着し、6日に養子縁組イベントが開かれた。
「Thank Dog I am Out Rescue Society」創設者のSusan Pattersonさんと、昨年のイベントで新しい家族が見つかった元保護犬のBlue
主催したのは、2009年にバンクーバーでSusan Pattersonさんが創設した、安楽死や飼育放棄、虐待などの危険にさらされた犬を保護し里親探しを支援するNPO団体「Thank Dog I Am Out Rescue Society」。同団体は、これまでに650匹以上の保護犬を新しい家族の元へ送り届けてきた。
5日昼過ぎに「Wings of Rescue」社の小型チャーター機が到着すると、会場で今か今かと待ち構えていた100人以上のボランティアから大きな歓声と拍手が沸き起こった。小型・中型犬60匹のケージが慎重に運び込まれ、芝生や毛布、ベッドなどを準備したスペースに、それぞれの犬が落ち着くと、担当ボランティアたちから水や食べ物をもらったり、膝に抱えられて昼寝を始めたり、犬同士でじゃれ合って遊び始めたりするなど、早速バンクーバーの環境になじむ様子が見られた。
当日はボランティアたちが付き添って一晩過ごした後、6日には、あらかじめ予備審査を通過した75組の里親を希望する家族が来場。会場には、獣医師、犬のトレーナーなどの専門家が常駐し、質問に答えたり、アドバイスを提供したりして、万全の態勢で臨む中、2時間以内に60匹中58匹が新しい家族と出会い会場を後にした。
ボランティアスタッフの一人で、地元ラジオ局の朝の番組でホストを務めるJonny Staubさんは「もともと大の犬好きなので、『家』と呼べる場所を持たない動物を見るのは耐え難い。ここでまた第二のチャンスとして希望の光を見いだせる犬がいることはうれしいこと」と話す。
同団体創設者のSusanさんは「行き場がなく命を失いかけた犬たちを救っているつもりが、実は自分たち人間の方が逆にこの犬たちに助けられているのではないかと感じることがある。犬も里親になった家族も、そしてここでボランティアとして頑張っているスタッフも全員が笑顔になれる空間をこれからも提供していきながらより多くの犬を助けたい」と抱負を語る。