フィギュアスケートの「四大陸選手権」2日目が2月5日、バンクーバーの「Pacific Coliseum(パシフィック・コロシアム)」(2901 East Hastings, Vancouver)で行われ、男子ショートプログラム(SP)で小塚崇彦選手が76.61点で3位と好調な滑り出しを見せた。織田信成選手は75.04点で6位、南里康晴選手は59.44点で11位につけた。
小塚選手は「終わったときには自分なりに気分がよかった。安心したのと、うれしいのと、危なかったな、という気持ちがいろいろ交じってガッツポーズが出た」、織田選手は「最終滑走ということでひどく緊張して体が硬くなってしまい、本来の自分の力が出せなかった」と演技を振り返る。両選手ともフリーでは「4回転に挑戦したい」と意欲を見せる。
最初のトリプルアクセルで大きく転倒した南里選手は「途中棄権することも頭をよぎったほどの痛みだった」と心境を明かし、「痛い足をかばって気分がマイナスに向いてしまう部分があったが、オリンピックの舞台となる場所でネガティブな面を出したくなかった。最後まで滑りきることができて良かった」とも。会場内に同選手への日本語メッセージ入り横断幕が掲げられていたことについて、「海外の大会で日本語で応援してもらえると力をもらえる。皆さんの応援で自分の演技に力を与えてください」と呼び掛けた。
地元ファンの大きな声援を受けて堂々とした演技を見せ、自己ベストの88.90点をマークして首位に立ったカナダのPatrick Chan選手。地元開催となる1年後の冬季オリンピックについて、「カナダのファンは最高の観客」と笑顔を見せ、「会場全体を巻き込んで自分のパフォーマンスの一部にしてしまうことができるよう心がけて演技している」と余裕も。
2010年冬季五輪のテスト大会を兼ねた今大会。氷の硬さ調整など、リンクのコンディション作りについても入念にチェックが行われている。「現在シーズン中のホッケーチーム『Vancouver Giants』の試合やスピードスケート競技で使う場合は硬めに張ってあるが、フィギュアの場合は少し軟らかくなるように調節する」と説明するSkate CanadaのMike Slipchukさん。「五輪開催までの間に、スピードスケートとフィギュアスケートのトレーニングキャンプを同時期に行ってみて、氷の状態への適応度を考慮したい。リンクがどんなコンディションであっても、選手たちが対応できるようにするのがベスト」と今後の課題を語った。
男子フリーは7日10時45分~。滑走順は、南里選手=18番目、小塚選手=21番目、織田選手=24番目。