「日本発北米スタイルのカスタムバイクをバンクーバーの人たちに知らせたい」と、同市内のバイク専門店「SCOOTER by jiangwayne.com」(1809 Fir St, Vancouver TEL 604-731-1880)勤務の弓田貴之さんが1台のデモバイクを完成させた。HONDA「RUCKUS」(日本名=ZOOMER)のエンジン部分とフレーム(骨組み)以外は、日本から部品を輸入してカスタムしたという。
弓田さんは、北米では比較的ポピュラーなカスタムバイクの需要がバンクーバーではあまりないことを受けて、店頭に展示するデモバイクの製作を計画。昨年末から半年以上をかけて完成させた。コンセプトは「ラグジュアリースタイル」。
車高を低くし、車体の全長をノーマルより8センチ伸ばした。ガスタンクカバーと座席下のフリースペースには「ファイアーパターン」と呼ばれる、炎の模様をデザインした金属板をあしらった。なかでも弓田さんがこだわった個所は、通常10インチのホイールを希少価値の高い12インチに付け替えた部分。北米のカスタム車やバイクのトレンドでもある大きなホイールを装着することで、「北米スタイル」をスクーターで表現したという。
貿易に興味のあった弓田さんは、通関士の資格を取ったことをきっかけに2005年にカナダにワーキングホリデービザで入国し、同店に入社。日本車の買い付けから販売までの輸入業務を行いながら、延べ約80台以上のバイクをカスタム改造した。「お客さんが希望したスタイルを形にできた時にやりがいを感じる」と弓田さん。「日本に戻ってからも、車やオートバイを扱う海外に携わる仕事をしたい」と抱負を語る。