バンクーバー日系人合同教会(4010 Victoria Dr. Vancouver, TEL 604-874-7014)で8月30日、日野原重明(ひのはらしげあき)さんを迎えての特別礼拝が行われ、300人を超える日系人が集まった。
日野原さんは聖路加国際病院理事長を務める97歳の現役医師。多くの著書やテレビ出演、「生活習慣病」という呼称を定着させたことなどで知られる。バンクーバー訪問は1993年、2005年に続き2回目。
今回の訪問は2000年に日野原さんが中心となり提案、発足した「新老人の会」の研修旅行の一環としてで、ほぼ全員が70歳以上という日本の会員39人とともに来加した。同会はこれまでの古い老人の意識を脱却し若々しく生き、次世代に平和とよき文化の伝統を伝えることを目標に掲げており、日本全国とメキシコ、ハワイなどに約1万人の会員がいる。
礼拝では「朽ちない いのち」と題して特別説教。約1時間にわたり、寿命、健康について医学的な見解から説明。昔ながらの日本食の良さなど、食生活の重要性も訴えた。「人を作っている細胞にも4週間という寿命があり、人間とは生物学的に朽ちる命。しかし、朽ちる命の身体には、朽ちない命(という心)があるという思いを忘れずに生きてほしい」と語った。
礼拝終了後は来場した人たちとの記念撮影や著書へのサインなどににこやかに応じ、日野原さんと一緒に写真を撮ろうとする人たちの列ができた。教会会長の林光夫さんは「先生にバンクーバーに来ていただくのは3回目。予想以上に多くの人々が集まり大変喜んでいる。先生の年齢を感じさせない姿を皆さんに見ていただけたことにも感謝している」と話す。