リッチモンドで五輪テロ対策、訓練最終段階に-オリンピック開催まで3カ月

3カ月後に控えたバンクーバー冬季五輪に向けて、リッチモンドで行われた「テロ対策訓練」。

3カ月後に控えたバンクーバー冬季五輪に向けて、リッチモンドで行われた「テロ対策訓練」。

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 リッチモンド市内の廃校となった高校「Steveston High School」(10440 No.2 Rd., Richmond)の校庭で11月2日、約3カ月後に迫ったバンクーバー冬季オリンピックに向けて、カナダ公安省の統括の下、緊急災害模擬訓練「Olympic Security Exercise GOLD」が行われた。

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 「ブロンズ」(2008年11月)、「シルバー」(2009年2月)と順に訓練内容を複雑化し、「ゴールド」と名付けられた今回は、最終段階として「CBRNE(化学・生物・放射性・核兵器および大型爆弾)」テロ発生を想定。警察や消防など140以上の関連団体が参加した。

 当日は、「テロリスト集団がオリンピックを妨害するために、アイスホッケーの観戦チケットを求めて多くの人が集まる場所で、人工降雪機を使って放射性物質をまき散らし、周辺地域が混乱に陥る」というシナリオに基づき、ボランティアの学生80人以上が被害者役として参加。色白メークで顔面蒼白な病人になりきったり、気温10℃以下の肌寒い中、消防隊員が容赦なくホースで水を全身にかけてもぐったりしたまま動かないなど、本番さながらの演技で訓練をサポートした。

 リッチモンド市の広報担当Ted Townsendさんは「市をはじめ州や政府の関連部署があらゆる状況に対応できるよう、いかに綿密な準備を整えているかを伝えられる良い機会になった」とコメント。「各団体間のコミュニケーションもスムーズに取れるようになったし、これまで行ってきた模擬訓練から多くのことを学ぶことができた」と訓練の成果を評価した。

 災害現場の証人役を演じたRichmond Emergency Social Services(リッチモンド緊急ソーシャルサービス)のボランティアSteve Gordyさんは「客観的に全体の様子を見ていると、実際に同じような状況になったときにこれだけ冷静に全員が対応できるかという疑問は残る」と率直な感想を語る。「例えば、英語が分からない人たちが被害者の中に多くいた場合、どうやって自分が置かれた状況を把握するのか、スムーズなコミュニケーションが取れないときにどうするのか、など言葉の面での問題にきちんと対処できるようにボランティアの補充が必要では」という具体的な問題提起も。

 同様の訓練は5日、バンクーバー市のVIA Rail Canada(1150 Station Street, Vancouver)敷地内でも行われる予定。

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