スレッジホッケー、炎のシューター上原大祐選手-ホッケーを通じて伝えたい思い

「日本に帰ったらすぐに子どもたちにメダルを見せに行きたい」と話す上原選手。撮影:竹見脩吾

「日本に帰ったらすぐに子どもたちにメダルを見せに行きたい」と話す上原選手。撮影:竹見脩吾

  • 0

  •  

 銀メダル以上の獲得が確定した3月18日のスレッジホッケーカナダ戦で逆転シュートを決めた上原大祐選手は、外国人選手と比べると体は小さいが相手選手に激しく体当たりし、世界のチームからマークされるコーナーワークでシュートを狙うポイントゲッター。得点を挙げてチームを盛り上げトリノに続く2回目のパラリンピック出場で王手となった金メダルを狙う。

[広告]

 リンクからも伝わる持ち前の明るさと社交的な性格。19歳で始めたスレッジホッケーで仲間に出会ったことが人生を大きく変えた。「競技の楽しさはもちろん、障害を笑いにする仲間たちの会話を聞くうちに自分も障害のことを話せるようになった。ホッケーがあるから人と繋がったり出会ったりする。ホッケーは自分の成長のすべて」という。

 「行動を起こさずに『できない』というのと、やって『できない』のとでは全然違う。チャレンジすることは生きがいになるし、だから生きるって楽しい」と話すように、やりたいことはすべてチャレンジするという上原選手。仕事と練習の合間をぬって「障害の有無に関わらずスレッジホッケーの魅力を伝えたい」とスレッジホッケーの体験会「キッズプログラム」に加え、企業や大学などでの講演会活動を行いスレッジホッケーの普及活動にはげむ。

 失敗しても好奇心が生まれると人は成長し夢が生まれる。子どもたちの潜在能力や可能性を引き出すことで世界を広げてほしいという思いを伝えたい。「体験会の子どもたちはものすごい笑顔で、それを見る両親も笑顔。周りにいる僕やスタッフにも伝染してそこには幸せな空間が広がっている」。

 釣りや音楽が好きで料理が得意、友だちや子どもたちと過ごす時間に幸せを感じるという。「すべてのことが純粋に楽しい」と話す時の笑顔はひときわ光る。「大学の講師やラジオのパーソナリティにも挑戦したいし、パラのスポーツ選手として(スポーツ番組の)『ジャンクスポーツ』にも出てみたい。車いすでもできるということを証明して道を切り拓いていきたい」と夢は尽きない。

 激しいボディチェックで体当たりされても起き上がってシュートを放ち、壁は自分で乗り越えられるということを身を持って証明し続ける上原選手。スレッジホッケーを通じて夢を持つことの大切さを伝えたいという熱い思いは上原選手のシュートに込められ、きっと皆の心にゴールする。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース