バンクーバー水族館は6月5日より、ワールド・オーシャン・デー(6月8日)に合わせてオーシャンデーウィークフェスティバルなどのイベントを通して海洋保護への認知向上を訴えている。
54年間にわたり続けている海洋調査と研究で、カナダの海洋保護推進を率先する活動を行っている同館。メキシコ湾で流出した油の流れを止めるための必死の策が当地で行われている中、「カナダの北極圏でこのような災害が起きたらどうなってしまうのだろう」と問いかけ、カナダ・エネルギー委員会は、北極圏には世界の原油13%と天然ガス30%埋蔵量があると推定されることから北極圏の安全と環境面に配慮した原油採掘の条件などを再考することに決めた。
1970年代に起きた北極圏での油流出事故後の調査では野生生物への被害はもちろん、氷面下での油流出は氷の生成・移動の流れも変えると示唆している。同館北極プログラムのEric Solomonディレクターは「北極圏の氷は壊れやすい生態系が基盤となっている。北極圏とそれを取り巻く生命への科学的な認識に欠けると効果的に管理することを妨げることとなる」と話す。
同館で行うオーシャンデー・ウィーク・フェスティバルは6月13日まで。青いものを身に着けると入館料を10%割り引く。