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バンクーバーで「将軍」に出演 祁答院雄貴さんに思いを聞く

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プロデューサー兼 吉井虎永 役 真田広之さんとセットにて

祁答院雄貴さん 俳優データベース

 現在放映中のドラマシリーズ「将軍Shogun」に出演しているバンクーバー在住の日本人俳優、祁答院雄貴(けどういん・ゆうき)さんに出演の経緯などを聞いた。

 ジェームズ・クラベル原作の同名小説をドラマ化した同作。ハリウッド作品でありながらバンクーバー郊外に日本で撮る時代劇さながらのセットを作り、日本の文化や時代背景を映像化。俳優だけでなくエキストラに至るまで日本から迎えた専門家が、所作や着付けの指導を行い撮影に臨んだ。

 同作で浅野忠信さん演じる樫木藪重の小姓、竹丸を演じた祁答院さんは「このような大きな作品に関われたうれしさや俳優として学べたことはもちろん大きかったが」と前置きし、「プロデューサーでもある真田広之さんをはじめ、スタッフの、日本文化を正しく伝えたいという熱を感じられたのが一番の収穫だった」と振り返る。「ハリウッドで長年活躍してきた真田さんが『日本の後輩たちが世界で活躍できる場を作りたい』と話しているのも聞き、海外で活動している自分としてもすごく感じるものがあった」とも。

浅野忠信さんとバンクーバーにて(右:祁答院さん)樫木藪重 役 浅野忠信さんと日本帰国時に(右:祁答院さん)

 配信開始からカナダやアメリカでも話題を得ているが、「撮影から放映まで本当に時間もかけ、多くの人が関わってきたのを見てきたので、本当にうれしい」と喜ぶ。「日本の歴史になじみがない人にも受け入れられているのは、やはり本物を見せているからでは」

 日本で10年ほど舞台を中心に俳優活動をしていた祁答院さん。2021年に文化庁の「新進芸術家海外研修制度」の支援を受けバンクーバーの「Arts Club シアター」で研修する機会を得て1年間滞在。当初は1年で帰国する予定だったが、「海外で活躍している方々との出会いや『将軍』への出演もあり、世界中に面白い作品がある、もっと海外でも活動を続けたいとの思いが強くなった」と、現在もバンクーバーに滞在し日本と行き来しながら仕事を続けている。

 バンクーバーでは俳優業の傍ら殺陣の教室も開いている。「俳優志望の方だけでなく、日本のアニメや文化が好きな人、主婦やシニアまでが習いに来ている。芝居の要素を入れて日本の剣を振るという体験を通して仲間が増えている」と日本文化を通して広がる現地での交流も楽しむ。


 

コキットラムの東漸寺 和の学校(殺陣教室)

 「見る人にどうやって楽しんでもらうか、どのように届けるかを仲間と考えながら一つの作品を作る過程、作品が完成していく過程がすごく楽しい」と俳優業の魅力を話す。「日本でも海外でも面白い作品に関わり続けていきたい」と今後の目標を掲げ、「そのためには、そのような制作現場から呼んでもらえる人でありたいので、常に自分を更新することを心がけている」と尽きない向上心を表す。

祁答院雄貴さん(インスタグラム)

祁答院雄貴さん (X)

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