バンクーバー、ダウンタウンのフェアモント・パシフィックリム・ホテル(1038 Canada Place, Vancouver)で9月25日、ナショナル日系博物館・ヘリテージセンターの開館10周年を記念する晩さん会が開かれ、地元日系コミュニティーメンバーを中心に約300人が参加した。
晩さん会では、キーノート・スピーカーとして環境活動家のデービッド・スズキさんがバンクーバーの日系コミュニティーを前に初めてのスピーチを行った。日系3世のスズキさんは「日系以外との結婚率が80%以上という日系コミュニティーは実に多様性そのものの社会」とし、「多様性は自然界における生存の原則。地球上で支配的な種となった人間が、テクノロジーを手に入れ自然を破壊してしまった今、文化や種の多様性が回復への鍵となる。多様性こそが新しい考え方や必要な変化をもたらす重要な意味を持つ」と語った。また「魚を獲りすぎたり、ゴミを増やし続けている消費社会の現代では、物を大切にする日本の『もったいない』という考え方を広めることも必要」とし、日系人としての視点を交えての環境問題へのアプローチを話し、参加者から共感の拍手を受けた。
当日は、地元企業などの協力によるサイレント・オークションも開かれた。収益はすべてナショナル日系博物館・ヘリテージセンターの活動支援に充てられる。