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日本人経営の「カフェ・ド・オランジェリー」、洋食メニューで地元に溶け込む

「カフェ・ド・オランジェリー」の日本人オーナーシェフ、高橋大和さん

「カフェ・ド・オランジェリー」の日本人オーナーシェフ、高橋大和さん

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 バンクーバー市内に8月にオープンした日本人経営のカフェ「Cafe de l’Orangerie(カフェ・ド・オランジェリー)」(8636 Granville St., Vancouver、TEL 604-266-0066)が、「日本の洋食を味わえる店」として在住日本人だけでなくカナダ人の間でも口コミで評判を広げている。

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 オーナーシェフは高橋大和さん。辻調理師専門学校で1年勉強し、仏・ストラスブールで6カ月研修した高橋さんは、日本のレストランでサーバーとして約5年、仕込みの手伝いなどもしながら修業を積んだ後、ワーキングホリデーで来加。日本食レストランで働いていたが、「男は30までには独立しろ」という父親の一言が次のステップを踏み出す大きなモチベーションとなり、店の立ち上げに踏み切った。

 店舗面積は1,000平方フィート。淡いグリーンや茶色でまとめたシンプルで落ち着いた内装の店内には、カウンター4席、テーブル席12席を設ける。高橋さんがフランスで研修したレストランがオランジェリー公園にあり、そこにいつもたくさんのコウノトリがいたことから、「幸運を運んでくれることをイメージして」店のロゴのデザインに取り入れた。

 人気の朝食メニューは、卵・チーズ・ハム入りの「イングリッシュ・マフィン・サンドイッチ」(3.75カナダドル)や「フレンチトースト」(4.25カナダドル)。チキンとクリームチーズをはさんで焼いた「グリルド・パニーニ」(7.75カナダドル)は人種を問わず注文が多いメニュー。懐かしい日本の洋食の味を求めて来店する日本人客からリクエストが多いのは、角切りベーコン、マッシュルーム、玉ネギ、ピーマンなど具沢山の「スパゲティ・ナポリタン」(8.50カナダドル)とデミグラスソースをかけた「ハンバーグステーキ」(10カナダドル)。

 「日本食と言えば『てんぷら・すし・照り焼き』というイメージを持っているカナダの人たちにとっては、ケチャップの甘辛味のナポリタンは不思議なメニューだったようだ」とオープン当初を振り返る高橋さん。「甘さ控えめで上品な味」と評判のデザートメニューは、フランスでパティシエとして働く高橋さんの友人からの極秘レシピ。チーズケーキ(4.25カナダドル)やカスタードプリン(4.75カナダドル)には、週に一度は必ず来店して注文するリピーターも。

 「近所の人たちが気軽にふっと立ち寄れて、ゆっくりしてもらえる場所、くつろげる空間にしたい」高橋さん。「最近は嫌な事件が多かったり不況が続いたりして、世の中が何となく暗い流れになってしまっているが、ここに来ておいしいものを食べてもらって、店を出るころには『また頑張ってみるか』という気になってもらえる、パワーの源になる存在でありたい」とも。「いずれはワインもサーブできるフレンチビストロを経営したい」と今後の夢を語る。

 営業時間は、火曜~金曜=7時30分~21時、土曜=9時~21時、日曜=9時~16時。第1・3月曜定休。

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