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リッチモンドで主婦グループが草の根募金活動-日系以外の住民にも広がる

募金に協力しているSouth Arm Community Centre スタッフ

募金に協力しているSouth Arm Community Centre スタッフ

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 リッチモンド市で有志主婦グループが展開している東日本大震災支援のための募金活動や資料の展示が、日系以外の住民にも広がり始めている。

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 リッチモンド市在住の主婦、杉浦留奈さん、衣川暁美さんらが近隣の日本人主婦仲間に呼びかけて発足した同グループは、地元のコミュニティーセンターや小学校での募金活動を開始。衣川さんは「大きな団体ではないので、集められる金額は少ないかもしれない。しかし、募金箱を見つけてお金を入れるだけでなく、自分でも何かできることをしたかった」と振り返る。

 同グループがリッチモンドのCultural Centre(7700 Minoru Gate, Richmond )に募金箱の設置を問い合わせてみたところ、「箱を置くだけではなく、テーブルに資料を置き来館者に震災の様子を伝えてみては、との提案を受けた」(杉浦さん)ため、ポスターや資料の作成も開始。日本国内外からの新聞の切り抜き、インターネットからのニュース、放射能関連の資料などを英語、日本語、中国語で作成し展示したところ日系以外の人々からも関心を集め、他の場所での募金活動の協力を申し出る声が上がった。

 展示では「津波の映像と原発の爆発の映像はニュースで見たという人が多かったが、東京のスーパーの棚が空になっている写真や、津波から生き延びた人の談話などには驚いた人が多かった。放射能の影響に関する日本と海外の報道の違いも興味を持った人もいた。リッチモンドが海抜より低いことを挙げ、日本の地震警報と津波警報のシステムに関心を示す人もいた」(衣川さん)という。

 杉浦さんは「震災から日数もたち、こちらでは人々の話題に上ることが少なくなってきている。しかし放射能の影響など日本が抱える問題はまだ数多くあるのが現状。原子力発電に頼る国は世界中に数多くある。遠い国で起きたことと捉えないで、同じ地球で起きている問題を多くの人に実感してもらうためにも細く長く活動を続けたい」と話す。

 グループは今後も地元小学校、市内コミュニティーセンターで募金活動と資料の展示を続ける予定。

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