カナダ郵政局は4月15日、英王室のウィリアム王子とケイト・ミドルトンさんの結婚を祝して発行する特別記念切手のデザインを発表した。同局がロイヤルウエディングの記念切手を発行するのは、1948年の現エリザベス女王のとき以来63年ぶりとなる。
今年初めに、カナダでのロイヤルウエディング記念切手発行の予定はないことを発表した同局に対し、コレクターからの苦情や要望が殺到したため、2月には予定を変更。通常の記念切手発行には、デザインの決定から発行まで2年近くかかるところを異例のスピードで対応し、同局史上では初めて「結婚式当日」の発行が実現することになった。
デザインを担当したのは、これまでにも同局の切手で人気の「花」シリーズなどに携わったモントリオールのグラフィックデザイナーIsabelle Toussaintさん。ウィリアム王子とケイトさんの2人の写真を使った切手のデザインは、王子自身とエリザベス女王本人が確認し、正式に使用許可を得た。昨年11月に婚約を発表したときの写真(国内郵便用59セント)と世界的ファッションフォトグラファーMario Testinoさんが撮影した婚約記念写真(国際郵便用1ドル75セント)の2種類。
今回の異例の対応について、Deepak Chopra局長は「(同局発行の)切手は、カナダの国の歴史や偉業を記念して発行するものだが、今回のように全世界が注目する記念すべき瞬間を捉えたものを取り上げることもある」と説明。「(今回の記念切手を通して)何百万人というカナダ国民だけでなく国境を越えて世界中の人たちが、未来の英国王夫妻が刻む歴史の一ページ、感動を共に分かち合うに違いない」と話す。
販売開始はロイヤルウエディング当日の4月29日。カナダ国内の郵便局カウンター、国外からはインターネット、メールオーダーで購入できる。挙式会場となるウエストミンスター寺院をデザインした記念押印も受け付ける(7月8日まで)。