バンクーバー市内各所で9月15日、パフォーマンスアートの祭典「Re-Live Vancouver」が始まった。カナダだけでなく、日本や香港、フランス、ポーランドなど世界各地から集まった30人以上のアーティストたちが、ギャラリーや劇場、公園などさまざまな場所でオリジナルのパフォーマンスを繰り広げる。主催はLive Biennale of Performance Art Society。
同フェスは、バンクーバーをパフォーマンスアートの重要な発信地にしようと1999年に始まった「Live Performance Art Biennale」が2008年から「The LIVE Biennale」と名称を変更。今年は同市の市政125周年記念関連イベントとして「バンクーバーのパフォーマンスアートの歴史を振り返る」をテーマに企画された。
欧米やアジアなど世界各国のアートフェスティバルで活躍する日本人アーティスト山岡佐紀子さんも参加する。場所の社会的、政治的コンテキストに関心を持ち、移民、亡命、旅人、変容、感情の推移などをテーマに主にサイトスペシフィックな表現を行っている山岡さん。今回は、「We are Elegant」と題して、戦時中にカナダに移民した女性たちの強さを表現した「インタビュー型パフォーマンス」。もう一つはダウンタウンのイーストサイドを歩いて出会う人たちに「おへそを見せていただいてデコレーションして撮影し、お礼にせっけんを差し上げる」(山岡さん)ワークショップ型写真作品「世界のへそ-バンクーバーバージョン-」を予定している。
「現地に着いてから最初の2日はしっかり街を歩いて、人の話を聞いて、そこでできることを見定めたい。新しいものを思いついたら追加するかもしれないし、一つはやめてしまうかもしれない」という山岡さんをはじめとして、時間や場所、パフォーマンスの詳細が未定のプログラムも多い同フェス。詳細はサイトで確認できる。今月25日まで。