バンクーバーで1月16日から2月3日まで19日間にわたり、パフォーミング・アートの祭典「PuSh International Performing Art Festival」(プッシュ国際パフォーミング・アートフェスティバル)が開催される。
今年で4回目迎える同フェス。市内15カ所の劇場で23のショーが上演される。昨年は、14,000人もの人が訪れた。プッシュ・フェスティバルのプッシュは「境界線を向こうへ押しやる」という意味。革新の精神に基づき、ジャンルを超えた、観客を驚かすオリジナリティーあふれるショーを提供する。カナダ国内はもちろんヨーロッパ、オーストラリアからも多くのアーティストが出演する。「世界で活躍するクリエーティブなアーティストたちが集まり、これから生まれる新しいパフォーマンスを見ることができる国際イベント」(広報担当者)。
カテゴリーに分けることが難しいさまざまなパフォーマンスがある。1月26日・27日には、「NuNu’s Salon Spa」(ヌヌズ・サロン・スパ)で「Haircuts by Children」(子どもたちによる散髪)が行われる。芸術監督 Darren O’Donnell さんがサレー市の小学生とコラボレート。20人の「子どもスタイリスト」が70人の大人の散髪をするという参加型の独特なパフォーマンス。これからの未来を担う子どもたちに散髪を委ねることで「あなたの未来への信頼と勇気を試すことができる」という。散髪希望者の予約はE-mail(hazel@pushfestival.ca)で受け付けている。
1月20日には2回、昼興行でオーストラリア、ブリスベーンから来たグループ「Circa」による「46 Circus Acts in 45 Minutes」(45分に46のサーカス技)という家族で楽しめるショーも。タイトル通りに45分間に46の宙返り、ジャグル、アクロバットなどのさまざまなサーカス技を見せる。無料。
「The Four Horseman Project」には、日本人、村越直子さん(トロント在住)も4人のアーティストの1人として出演する。同プロジェクトは、1970年代にこれまでの詩の意味を覆す衝撃的なパフォーマンスを発表したサウンドポエット「Four Horseman」を素材にしたプロジェクト。劇、ダンス、サウンドやアニメーションがぶつかり合ったアバンギャルドな作品。プロジェクトについて「もともとフリーダンサーだったのでボーカルトレーニングが大変だった。ロングランの公演になるときは、のどを痛めないために気を使う」と苦労を話す村越さん。同フェス参加については、「面白い作品のそろったこのフェスティバルに出演できてうれしい。私たちは時間がなくてすべてのパフォーマンスを見ることができないから残念だけど、ぜひ、多くの方に見に来てもらいたい」と話す。
エグゼクティブ・ディレクターのNorman Armourさんは「今年のフェスティバルも、『ライブ・パフォーマンスとは何か』『自分にとって何か』と、皆さんの考えを刺激するショーを届けることできれば。観客の皆さんのフェスティバル。気楽に参加し、見に来てほしい」とメッセージを寄せる。