個別に録音した40人の歌声を「展示」-教会合唱音楽テーマに

Janet Cardiff: Forty-Part Motet, 2001。40台のスピーカーから14分ごとに流れる音で作り上げる空間演出。カナダ国立美術館所蔵。写真提供:Surrey Art Gallery

Janet Cardiff: Forty-Part Motet, 2001。40台のスピーカーから14分ごとに流れる音で作り上げる空間演出。カナダ国立美術館所蔵。写真提供:Surrey Art Gallery

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 サレー・アートギャラリー(3750-88 Avenue, Surrey、TEL: 604-501-5566)で1月12日より、「Forty-Part Motet(40声のモテット)」の展示が始まった。

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 同展の展示は、BC(ブリティッシュ・コロンビア)州では初で、National Gallery of Canada(カナダ国立美術館)の監修によるもの。これまでにMoMa(Museum of Modern Art in NY、ニューヨーク近代美術館)やイギリスのテート・ギャラリーなどでも展示され、人気を呼んだ。

 モテットとは、12世紀から近代にかけて行われた教会合唱音楽のことをいう。会場内には40台のスピーカーが頭の高さほどの位置に楕円を描くように配置されており、来場者は一つひとつのスピーカーの前を通り過ぎながら個々のパートを聴き分けることができるだけでなく、会場の中心に立って聴くと、そのハーモニーの美しさに圧倒される。

 11分の演奏に3分の休憩を挟み、14分ごとに繰り返される音楽は、彫刻的な展示でもあり、音のパフォーマンスとも言える。

 作者のJanet Cardiffさんは、カナダの代表的な現代アーティストの1人。作品を作るにあたり、16世紀のイギリス人オルガン奏者Thomas Tallis(トーマス・タリス)が作曲した、現在までで最も複雑な多声合唱曲「Spem in Alium(我、汝の他に望みなし)」を歌うサリスベリー大聖堂合唱団の各メンバーの声を、個別に録音した。

 ジャネットさんは「個別に分けられた声を自分の中で組み合わせることで音の中を『よじ登る』体験を可能にしたかった」と話し、「会場に入った人たちが、各スピーカーの間をどういう順序で通って行くかを見てみたい」と楽しみな様子も。

 開館時間は、月曜・金曜=9時~17時、火曜~木曜=9時~21時、土曜=10時~17時、日曜=12時~17時。祝日は休み。3月23日まで開催予定。

Surrey Art Gallery

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