バンクーバーで5月11日、「在外選挙登録」を呼び掛ける現地在住主婦の集まり「一人一人ができること」が催され、領事館職員による「在外選挙登録」出張サービスが行われた。

　今回の企画はノースバンクーバー在住主婦の小嶋しのぶさんの発案で実現。小嶋さんは「震災後自分が日本のために何ができるかずっと考えていた。海外に住みながら日本のために本当に意味のあることをしたいと考えたとき、それは選挙に参加することだと気が付いた。選挙は日本をよくするために意思表示する一人一人が持っている権利なのだという考えに行き着いた」と話す。

　「自分も今まで政治には関心がなく選挙に行ったこともなかった。現在約80万人の有権者が海外在住と聞いた。この多くが『在外選挙登録』を行い、海外から日本を思っているという意思を行動で示せば、きっと日本にもその声が届き、日本で選挙に無関心だった人々の共感も得ることができるのでは」と期待を込める。

　活動開始にあたり、マタニティーヨガ教室、出産サポートサービスなどを提供している「Mosmos Family」主宰の石橋伯子（のり子）さんの協力を得、現地在住主婦を中心に呼び掛けたところ約30人が参加。当日は14人が実際に登録手続きを行った。

　登録窓口出張サービスを提供した日本領事館の池田洋一領事は「通常は個人の集会には出張サービスは行わないが、小嶋さんの話を聞き協力を決めた。今後もある程度の人数が集まる場合には出張が可能になるので相談してもらえれば」と話す。

　当日は、池田領事が「子どもの日本語教育と教科書無料配布」「在外邦人の安全対策」などについての説明する場も設けられた。

　小嶋さんは活動開始にあたりブログを開設、活動開始に際する考えなどを説明している。「今後も同様の会をどんどん催していきたい。活動の趣旨に賛同して『在外登録』出張サービスの場所を提供いただける日本人コミュニティーの主催者の方がいたら連絡をいただきたい」とも。