バンクーバーの2会場で2月22日~29日、7歳から19歳を対象にした映画祭「子どものための国際映画祭」( International Film Festival for Youth)が開催されている。会場は、Roundhouse Community Centre(181 Roundhouse Mews, Vancouver)と Vancity Theatre(1181 Seymour Street, Vancouver)。主催はReel to Realで、開催は10回目。
期間中、計48本の長編、短編映画やアニメーションが上映され約20に及ぶワークショップが行われる。22日の10周年記念オープニングでは、 昨年ワークショップに参加し、優秀な作品を制作した子どもに、500カナダドルなどが贈呈される「Edith Lando平和賞」など9つの賞を授与。その後、オープニング作品として 、自ら引き起こした不慮の事故で視覚を失った少年の映画への愛、音との出会いを描く「空のように赤く(RED LIKE THE SKY/イタリア)」を上映した。同作品は、イタリアで活躍する盲目の映画音響技師メルコ・メンカッチさんの実話に基づいた作品。
カナディアンプレミア作品では、 問題解決、共感、社会の道理 をテーマとした「パオラの秘密」(PAULA’S SECRET/ドイツ) や、 初恋、友情、思春期をテーマとした「ムクシン」(MUKHSIN/マレーシア)などをカナダ初上映 。テーマ、対象年齢が記載され、家族そろって映画鑑賞が楽しめる。
日本からは、アニメーション作家として有名な山村浩二監督の短編アニメーション、「おうち」(house)が上映される。そのほか、ベスト短編アニメ部門でアカデミー賞にノミネートされたカナダの作品「Madame Tutli-Putli 」や当時14歳のビートルズファンの少年が、 約40年前にジョン・レノンにインタビューした際のレノンの肉声を使用した「I met the Walrus」のラインアップも。
期間中、粘土を使用して短編アニメーションを制作するクレイメーションのワークショップや、短編デジタル映画の制作の基礎を学ぶ講義などもあり、学校のアクティビティーとしても利用される。
ディレクターのVenay Feltonさんは「今年は10周年記念。子どもから大人、家族で一緒に楽しめるバラエティー豊かで素晴らしいラインアップを長編・短編ともに取りそろえた。映画上映後に、監督との討論会やワークショップ、アクティビティーにも参加することで映画制作を芸術として理解する経験や、観客として批評する能力を養ってほしい」と話す。
チケットは、子ども=6カナダドル、大人=8カナダドル。「オープニング映画」「アワードセレブレーション」は、子ども=8カナダドル、大人=12カナダドル。