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カナダのシニア作家が2カ国語紙芝居で日本文化紹介-iPadバージョンも

日英バイリンガル絵本「Fly Catcher Boy」の紙芝居公演中のレベッカ・クールさん

日英バイリンガル絵本「Fly Catcher Boy」の紙芝居公演中のレベッカ・クールさん

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 ブリティッシュ・コロンビア州ビクトリア在住の作家レベッカ・クールさんが、自作の2カ国語絵本「Fly Catcher Boy」を昔ながらの紙芝居スタイルで紹介するストーリータイム公演「Kamishibai 4 Kids」を地道に続け、昨年5月にはiPad版も配信開始するなど、徐々に販路を広げている。

iPad版「Fly Catcher Boy」を使って、発音見本を聞かせるレベッカ・クールさん

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 1994年から2000年までの6年間、日本に英語教師として滞在していたレベッカさんは、「日本人の英語学習にはバイリンガル表記の絵本が必要」という同僚教師の話がきっかけで、2カ国語での絵本作りに取り組むことに。2009年に完成した絵本は、ハエを手でつかむ天才少年ケンジと、嵐の夜、彼の家で拾われた猫との冒険物語。食事、風呂、大相撲、七五三などの日本文化をストーリーに織り交ぜ、英語の文章中に取り入れた簡単な日本語のフレーズや単語(ローマ字表記)を自然な流れで身に着けることができるように構成されている。

 出版後、夫の藤部武(ふじべ・たけし)さんと共に同作品を紙芝居化し、「紙芝居による語りを通して英語圏の子どもたちが日本語や日本文化に触れる機会をつくる」活動を開始。地元のイベントや図書館、教会、学校のほか、桜祭りやパウエル祭などの日系行事でも公演を行い、好評を得た。

 2011年には、漫画好きなケロウナ在住の高校生ヘイリー・サボリンさんがアニメ風のイラストを担当した新版をリリース。絵本を読むときに発音の参考にできるよう、ウェブサイトには日本語の単語リスト「オーディオ用語集」のページを設けていたが、iPad版ではページごとに朗読見本を確認できるようになった。

 「この歳になってからの本の出版には、かなりの労力と時間を要したが、自分のやりたいことを始めるのに遅すぎるということはないと思う」と力強く話すレベッカさん。中国やギリシャ、インドネシア、シンガポール、メキシコなど世界各地を旅した経験を生かして、「今後はさらに、スペイン語と英語、フランス語と英語、中国語と英語など、同様の形式で各国の文化紹介絵本を製作していく予定」と抱負を語る。

 同書の通常版は、米アマゾンで購入できる(9.99ドル)。iPad版は2.99カナダドルでiTune配信中。

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