世界で初めての糖尿病患者のみから成るプロアスリートチーム「Team Novo Nordisk」が7月中、バンクーバー近郊での自転車レースに参戦する。
「糖尿病についての啓発活動」を目標にレースに参加するノボ・ノルディスクチームの選手17人は全員が糖尿病患者
チームを構成する選手17人は、サイクリスト、トライアスロン選手、ランナーなど、世界各地のレースで優勝・上位入賞の経験がある実力派ぞろい。出身国は、オーストラリア、イタリア、アイルランド、アメリカ、フィンランド、スペイン、ベルギー、ロシア、ニュージーランド、オランダの10カ国で、全員が糖尿病患者。「糖尿病についての啓発活動」「患者に希望を与えて励ますこと」をチームの目標として掲げ、各地でレース参加と講演活動などを行っている。
先月、ケベック州で行われた「ツール・ド・ボース」では上位40位入賞。ブリティッシュ・コロンビア州では、「ツール・ド・デルタ」(5日)、「ガスタウン・グランプリ」(10日)、「ツール・ド・ホワイトロック」(14日)と、立て続けに自転車レースに出場する。
ノボ・ノルディスク社グローバルマーケティング部門代表のJakob Riisさんは「世界中で3億7100万人、カナダ国内では約300万人いるとされる糖尿病患者たちの現状をより広く知ってもらうために行っているプログラム『Change Diabetes』の一環として今回のチームを結成した」と説明。
Phil Southerlandチーム代表は「レースごとに経験を積み、強くなってきている。糖尿病の診断を下されると、多くの人たちがもう今後、普通の生活はできないと思い夢を諦めてしまう。きちんとコントロールすれば不可能なことはない」と力強く訴える。
「Novo Nordisk(ノボ・ノルディスク)」社(本社=デンマーク)は糖尿病ケアに関する研究や治療薬開発で知られる製薬会社で、90年の歴史を持つ。血友病の治療や成長ホルモン療法、ホルモン補充療法などでも主導的な役割を果たしている。