バンクーバーのコースト・プラザホテル(1763 Comox St, Vancouver)で8月21日、投資育成事業家であると同時に「レバレッジ英語勉強法」などレバレッジシリーズの著者であり、多方面で活躍するレバレッジコンサルティング社長の本田直之さんが「自分で選択する働き方と生き方」をテーマに講演した。同講演会は企友会をはじめとする日系4団体による共催で、当日は約250人が会場に集まった。
1年のうち、半年はハワイ、3カ月は日本、残りの3カ月はそれ以外の国で過ごすなど自身の著書にもある「ノマドライフ」を送り、投資事業、執筆、本のプロデュースなど活動は多岐にわたる本田さん。住む場所からも分かる通り、「一つのことに集中しない」「常に同時進行で違うことをしている」と話し、「非連続社会」の環境が「新しいものを生むチャンスになる」「変化に応じて人は進化していくのでは」と解く。
講演会では質疑応答もあり、「就活に失敗してカナダに来た」という若者には「就活に失敗はない。反対にいい機会」と常に頭を柔らかくしていたいと学生との対話の機会も大切にする本田さん。「昔は会社のブランドで自分を表現することができたが、今は、あなたがどうなのかが重要、自分の名前で生きていく時代。自分を理解し、自己表現することが自身の価値となり、自己ブランディングの構築となる」と続ける。ITの発達した今、自己を表現・発信する場は多くある「便利な時代」。自分を脚色、「『化粧しすぎた』表現方法はどうかと思うが、自己メディアを活用し、別々のものを組み合わせ、オリジナリティーを出す。そして、何かしらの表現方法を使い、世の中に自分を知ってもらうことが大事。リアルとソーシャルな場には違いがあるが、大きな期待を持ちすぎずに世の中の反応を知るためのツールとして発信してみては」とも。
自己ブランディングを構築し、「自身の働き方・生き方」を選ぶために、「面倒なことが苦手」という本田さんが勧める方法の一つは「自分にタグ付けすること」だ。好きなこと、得意なこと、思いつく限り、自分自身について一つずつ書き出し、その次に嫌いなこと、したくないこと、やらないことなど「アンチタグ」も付けていく。そうすることで「自分のカテゴリー」が見えてくるという。自分をタグ付けすることは自分を知ること、生き方を取捨選択する方法にもなる。本田さんは「遊びと仕事のバランス(ワーク・ライフバランス)」という言葉をよく聞くが、その言葉には違和感を覚えるという。「仕事と遊びに垣根はない、ワーク・ライフ・ハピネス」が自身の仕事と遊びに関する見解だ。自分が好きで決めて(選択して)、やっていることは自分にとって遊びであり、結果、その仕事(遊び)は楽しくなり、成果が出る」という。
常に移動生活を送る本田さんは「今ある環境に感謝している」と話し、「バンクーバーに住んでいてもバンクーバーの良さを知らない人がいるとしたら『あと1週間しかここに住めないと思ったら何をするか、どう生きるか考えてほしい』とのメッセージで講演会を締めくくった。