Vancouver Public Library(350 West Georgia Street, Vancouver)のアトリウムで3月8日、「Vertical Orchestra 2008」が開かれる。The Redshift Music SocietyとVancouver 2010 Cultural Olympiadの共催で、特別ゲストにブリティッシュ・コロンビア(BC)州で30年の経験を誇るブラス・クインテット(金管五重奏)グループ「A Touch of Brass」を迎える。
7階建ての建物中央にあるアトリウムの空間全体を音で埋め尽くそうというコンセプトで行われる同コンサートでは、最上階にトランペット、チューバと打楽器を最下の階、木管楽器がその中間、コーラスはバルコニーのようにメンバーを会場全体に分散して配置する。今回のコンサート会場に合わせて、Dorothy Changさん、Jason Nettさん、James B. Maxwellさん、Chris Kovarikさん、Jordan NoblesさんなどBC州の作曲家たちが曲を書いた。
同団体は2001年にバンクーバーで創立された作曲家のグループで、Jordan NoblesさんとMark McGregorさんが芸術監督を務め、カナダ現代音楽の作曲家たちの作品を紹介してきた。これまでに、Vancouver Art Galleryや市内の銀行、ショッピングモール、地下駐車場、ビルの屋上などの公共の場所で同様のコンサートを開き、話題を集めている。
「日ごろから持っていた建築物と現代音楽への興味が合わさって、1990年代にこのアイデアにたどり着いた。『広い場所に分散した状態で、どのようにしてお互いの音を合わせるか』という問題は、指揮者ではなくストップウオッチを使うことで解決する」と話すJordanさん。「会場中央で目を閉じて聴いたり、場所を移動しながらハーモニーの違いを見つけ出したり、最上階から真下を眺めてみたり、いろいろな楽しみ方ができる。空間を埋め尽くす音の世界を、それぞれが自由に楽しんでもらいたい。偶然近くを通りかかった人も思わず足を止めるようなコンサートになれば」と抱負を語る。
会場のバンクーバー市立中央図書館は、建築家Moshe Safidieさんによる、ローマのコロシアムをイメージさせるモダンなデザインの建物で、映画の撮影などにも使われている。
コンサートは13時~。参加無料。