ユナイテッド・サッカーリーグ(USL)のバンクーバー・ホワイトキャップスは3月12日、Jリーグで15年プレーしたベテランMF平野孝選手と契約した。契約期間は1年で、オプションとしてさらに1年の契約延長が可能。同チームが日本人選手(男子)と契約するのは、今回が初めて。
同チームは1986年に創立されたプロ・サッカーチームで、メジャーリーグ・サッカー(MLS)の下に位置する北米独立リーグUSL First Divisionに属する。カナダ代表チームメンバーのAdrian Cann選手やMartin Nash選手も在籍し、2006年にはリーグ・チャンピオンとなったほか、2007年には、デビッド・ベッカム選手率いるL.A. Galaxyとの親善試合を行って、サッカーファンだけでなく現地メディアの注目を集めた。
平野選手は、清水商業高校を卒業後、1993年に名古屋グランパスエイトに入団し、2000年に京都パープルサンガに移籍。その後は、ジュビロ磐田、ヴィッセル神戸、東京ヴェルディ1969、横浜F・マリノス、大宮アルディージャに在籍し、通算352試合出場、54ゴールを記録。日本代表として1998年FIFAワールドカップ・フランス大会を含む15試合に出場し、4ゴールを挙げた。
3月初めにバンクーバー入りした平野選手は、早くもチームと合流し練習に汗を流している。「トライアウトに参加したときの監督の印象がとても良かったこと、チームとしての対応がしっかりしていたこと、バンクーバーが美しく住みやすい街として世界でもトップランクに入ることが今回の決断の決め手となった」と話す同選手。「チームメートも監督も、自分のことをとても温かく迎え入れてくれ感謝している。同じアパートに住んでいるチームメートが『何か困ったことがあったらいつでも何でも相談して』と言ってくれ、大変心強い。今までもヨーロッパのコーチの指導の下でプレーした経験があるので、特に練習方法の違いなどで戸惑うことなくスムーズに進んでいる」とにこやかに語る。
Teitur Thordarsonヘッド・コーチは「Takaはうちのチームが必要としていた左利きの選手。英語でのコミュニケーション力に不安を感じているようだが、ピッチの上では何の問題もない。チームメートともうまくやっていっているようだ。練習を見ている限りでは、十分スタメン出場の可能性がある」と同選手の仕上がりに期待を寄せる。
4月から本格的に始まるレギュラーシーズンに向けて、平野選手は「日本での試合日程に比べてかなりの過密スケジュールなので、今まで以上に体調管理に気を付けなければならない。けがのないよう万全の準備をして試合に臨み、チームの勝利に貢献したい」と話し、「バンクーバー在住の日本人の皆さんは、ぜひ応援に来てほしい。日本でこれまで応援してくれたファンの皆さんにも、今後の自分の頑張りを見守ってもらいたい。自分のサッカーを通してバンクーバーという街を知ってもらえればうれしい」と抱負を語る。
ホワイト・キャップスの開幕試合は4月12日、Swanguard Stadium(3883 Imperial Street, Burnaby)でのモントリオール・インパクト戦。試合開始は19時~。チケットは18ドル~。チケット・マスター(TEL 604-280-4400または1-800-663-9311)で発売中。
Vancouver Whitecaps FCベッカム選手、初のバンクーバー訪問-地元チームと親善試合へ(バンクーバー経済新聞)