リッチモンド市消防局がペット用酸素マスクキットを導入した。同市に現在登録されている犬は5000頭以上、猫や未登録の犬も含めるとペット飼育数は相当の数に上り、火災などの非常時、ペットはその場から逃げ出すのではなく、本能で室内のどこかに隠れてしまうことが多いため、その救助率を高めるための試み。
今回のキット導入は、Invisible Fence社とコキットラム市の動物病院Burquitlam Animal Hospitalの協力を得て実現に至った。キットには、ペットのサイズに合わせた大・中・小の酸素マスクのほか、犬・猫の救急蘇生法を記したカード、リード、ペット保護報告書を含む。同様のキットは、これまでに北米の3000近くの消防局に6200セット以上、提供されている。
同市では、6月に起きた住宅火災で、ぺットの猫が意識不明の状態で救助され、消防の連絡を受けて駆け付けたリッチモンド動物保護協会が酸素マスクを使って救急蘇生を施し無事に息を吹き返した例があった。「住宅火災で大切なペットを失ってしまうのは耐え難いこと。ペットたちは家族の一員であり、場合によっては一緒に生活している唯一のパートナー、という人たちもいる」と同市消防長のティム・ウィルキンソンさん。「ペットが火災で死亡する原因のほとんどが煙による窒息死。このキットを消防車両に装備することで、それを少しでも減らすことができれば」と期待する。