バンクーバーのキツラノビーチで8月9日、地元出身のプロバスケットボール選手スティーブ・ナッシュさんのドキュメンタリー映画「NASH: The Documentary」が上映された。
8月8日~10日、3日間にわたって開催されたスポーツフェス「KitsFest」のプログラムの一環。同ビーチでの野外上映会に市が許可を出したのは今回が初めてということもあり、多くのバスケファンや地元市民が集まった。
日の入りを待って21時から開始したイベントには、カナダ・ナショナルチームで活躍した地元出身選手たちのほか、マイケル・ハミルトン監督も来場。「NBAファンだけでなく、さまざまな分野で多大な影響力を持つスティーブが、今まで公にしたことがなかった自分の内面までカメラの前で見せてくれたことに心から感謝している。完成までに3年半を費やした分、いろいろな要素を含んだ内容の濃いものになっているので、より多くの人に楽しんでもらいたい」とあいさつした。
ナッシュさん自身が公式自叙伝として初めて自らOKを出したドキュメンタリー作品。ナッシュさんの両親やプロサッカーチーム「バンクーバー・ホワイトキャップス」でキャプテンを務めていた弟のマーティン・ナッシュさんをはじめ、高校や大学時代のコーチ、NBAで一緒にプレーした選手たちがそれぞれの体験やナッシュさんへの思いを語りながら、同選手のこれまでの名場面を振り返る。
2005年、2006年と2年連続のシーズンMVP受賞や、オールスターに8度出場、2010年バンクーバー五輪では聖火ランナーも務めるなど輝かしい功績を残したナッシュさん。現在も多くのスポーツファンの憧れの存在である一方、実はその活躍の陰で味わっていた挫折や苦労、バスケットボール以外でのコミュニティーへの貢献なども描く。バスケット関係者だけでなく、デビッド・ベッカム選手やオバマ大統領、スヌープ・ドッグなど意外な有名人がインタビューに応じている場面も。
同作品は2011年のバンクーバー国際映画祭で上映されたが、その後、同選手がフェニックス・サンズからロサンゼルス・レイカーズにトレードされたため、クラウドファンディングサイト「Kickstarter」で製作資金を募り、追加撮影・編集を行った。既にトロント、バンクーバー、ビクトリアでの劇場公開を終了しており、現在はカナダ国内のケーブル会社のOn Demandで視聴できるほか、iTuneでダウンロード可能(19.99カナダドル)。アメリカでは2014-15年のシーズン開始前の公開を予定している。上映時間79分。