歩くだけで携帯電話を充電-バンクーバーの研究者が新システム開発

サイモン・フレーザー大学、研究室准教授Max Donelanさんの開発したシステム「生力学的発電機」

サイモン・フレーザー大学、研究室准教授Max Donelanさんの開発したシステム「生力学的発電機」

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 Simon Fraser University(サイモン・フレーザー大学、8888 University Drive, Burnaby)のキネシオロジー(運動科学)研究室准教授Max Donelanさんの開発したシステム「Biomechanical Energy Harvester(生力学的発電機)」がアメリカの科学雑誌「Science」で発表された。

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 同システムは、ひざに装着して使い、人間の歩く動作で発電する仕組みになっている。整形外科で用いる軽量の矯正装置に似た形状で、発電機のほか、クラッチとギア、制御システムで構成される。足が一歩踏み出す動作を終わって着地するときに、足の筋肉が動きを減速させるために生み出すエネルギーを使って発電する原理で、ハイブリッドカーの回生ブレーキの原理と同様のもの。

 両ひざに装着した場合、通常歩行の動作で最高5ワットを発電できるという。少し速足で歩くと13ワットの発電が可能となり、1分間歩くことで生み出される電力は携帯電話の通話時間30分相当に。かかとにかかる圧力を電気に変換する「靴型」発電装置では発電量が微量だったり、「リュック型」発電装置では背中に背負う装置が重いなど、これまでに開発されてきた装置の問題点が解決されている。

 Donelanさんは「この技術は、医療や軍事、消費者向けに十分応用できるはず。電気のない生活を強いられている国の子どもたちにも利用できるようにして、生活レベルの向上に役立てたり、携帯電話を初めとした携帯電子機器なしの仕事や日常生活は考えられなくなっている現代の私たちの生活にも必要不可欠なものになるのでは」と話す。

 Donelanさんが取締役を務める「Bionic Power Inc.」では、18カヶ月以内に試作品を提供できるよう準備を進めている。

Simon Fraser UniversityBionic Power Inc.

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