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バンクーバーでの映画・ドラマ撮影本数が過去最高に 大きな経済効果も

「撮影中も通常営業中」のサイン

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 バンクーバー市は、バンクーバー首都圏における2015年の映画・ドラマ撮影作品数が、前年比で40%以上増加し、過去最高を記録したことを発表した。別名「ノースハリウッド」とも呼ばれるバンクーバー。映画やドラマの代表的ロケ地としての位置付けが確立した。

通りを閉鎖して映画撮影中のスティーブストン

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 2015年の1年間に市内で撮影されたのは353作品(2014年は235作品)、延べ撮影日数は1518日で、公道使用許可証の発行収益のみで71万カナダドルに上った。2016年1月の撮影許可証発行数も、すでに前年同時期と比べて30%増加している。

 長編作品では、北米で2月に公開されて国際的にも注目を集めている異色のヒーロー・コメディー映画「Deadpool」が、バンクーバー近郊で58日間にわたって撮影を行ったことにより、4,000万カナダドルの経済効果が上がり、地域経済を潤す役目を果たした。地元でキャスティングされた俳優・エキストラと撮影クルーは2000人以上で、その賃金として1,900万カナダドルが支払われている。映画産業関連ビジネスの賃金としてバンクーバー市民に支払われたのは年間1億4,300万カナダドルに上る。

 TVコマーシャルは計158本が撮影され、単なる風景のみの撮影から、昨年3月にダウンタウンで行われた「Jeep Cherokee」のCMのような大掛かりな撮影までさまざまな規模にわたった。人気シリーズ「Arrow」や「Supernatural」「iZombie」「The Flash」「Once Upon A Time」などのテレビドラマも300話以上がバンクーバー市や近郊で撮影が行われている。ワーナー・ブラザーズ社は、クルーやキャスト総勢2400人以上の現地雇用を生み出し、現地ロケのために7,000万カナダドル以上を費やしている。

 ABC制作のテレビドラマ「Once Upon A Time」の撮影が行われているリッチモンドの港町スティーブストンでは、「撮影中だけに限らず、1年を通して世界中からドラマのファンが訪れている」(Tracy Lakemanリッチモンド観光局長)といい、Malcolm Brodieリッチモンド市長は「もともとスティーブストンは観光地ではあるが、この撮影のおかげでさらに人気が増しただけでなく、雇用の増加など経済面でも好影響が出ている」と喜ぶ。

 バンクーバーのロバートソン市長は「映画やテレビ番組の撮影が市内で毎日のように行われていることによる経済効果はしっかりと目に見えている。バンクーバーで高成長を続けているエンターテインメント業界は、カナダ全体の経済に与える影響も大きい」と話す。「バンクーバーは世界レベルで通用する業界屈指の才能の宝庫であり、作品制作過程のどのエリアにおいても市を挙げてサポートする態勢が整っている」と強調し、今後のさらなる成長に期待する。

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